より深掘りしていくとその要因の一端が見えてきます。
前述した私の独自調査から、40代の未既婚男性に絞って、「経済力の充実度」「仕事の充実度」「友人関係の充実度」「自己の能力への自信度」の項目で、それぞれ「充実」「普通」「不満」別の幸福度をクロス集計して比較してみました。

当然ながら、どの指標においても充実している場合は、たとえ未婚であっても幸福度は高くなり、ほぼ既婚と遜色ありません。差異が大きくなるのは、経済力、仕事、友人関係のいずれにおいても「普通」「不満」とした場合の幸福度の差です。
つまり、中年未婚男性は経済力、仕事、友人関係において「充実していなければ幸福を感じられない」ということがわかります。まさに、前述したように「〇〇でなければ幸福ではない」という呪いにかかっているようなものです。
既婚男性の幸福度が高い理由
既婚の幸福度が高いのは、たとえ経済的に充実とは言えないまでも、それだけをもって「不幸だ」とは感じず、「これくらいでもまあまあ幸せだよね」という心持ちがあるからでしょう。
特に注目したいのが、自分の能力に関するとらえ方と幸福度との差です。既婚は、「自分の能力に自信がある」場合の幸福度が高いのは当然として、「普通」「自信がない」とした場合でもその幸福度が大きく下がることはありません。対して、未婚は「自信がある」場合こそ幸福度は高いですが、それでも既婚の「自信がない」場合の幸福度と同程度しかありません。
「自分に自信がある」というのも主観的な評価であり、甘く見積もって自信満々な人もいれば、謙遜して低く見積もる人もいるでしょう。しかし、どういう見積もりで自己評価したとしても、その評価に過敏すぎる傾向が未婚男性にはあるようです。
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