「結婚したら幸福になれる」という考え方は、「いい会社に入ったら幸福になれる」「お金持ちになったら幸福になれる」と同様、フォーカシング・イリュージョンといって、ある特定の状態を手に入れれば幸福になれると信じ込んでしまう思考の偏向性を指します。
しかし、「〇〇になれば幸福になれる」という言葉は一見ポジティブなようでいて、逆に、「〇〇でない自分は幸福になれない」と自分に呪いをかけるようなものです。
本来、幸福感とはある特定の状態にあるかないかという条件に左右されるものではないはずです。
40代未婚男性の年収別幸福度
そうは言うものの、たとえば年収と幸福度の相関を見ると、年収が高くなればなるほど幸福度も高まるという正の相関は現実的に存在します。40代未既婚男性に絞って、年収別幸福度の推移を示したものが以下のグラフです。

確かに、年収が増えれば増えるほど幸福度はあがっています。が、注目すべきは、未婚と既婚の男性とでは、たとえ同じ年収であっても幸福度が大きく違う点です。特に、低~中間層年収帯では既婚より未婚の方が20ポイントも低い。未婚の幸福度が既婚に追いつくのは年収1000万円以上からです。
このように、年齢が同じでも、年収が同じでも、未既婚中年男性の幸福度に大きな差が生じるのはなぜでしょう。
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