1分で2000個完売!「人気ベーグル屋」営む"夫婦の正体"。自宅でベーグル作りを独学で習得→店を開くも1日4人しか客が来ず…。逆転人生を聞いた

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ベーグル
オレオを使用したベーグル(筆者撮影)

5年間続くオンライン通販の完売記録

これで、アカシアベーグルが廃業の危機から人気のベーグル店に駆け上がった理由がわかっただろう。まず、経営が危機的状況に陥った時、専門家の助言に従って「ベーグルに楽しさを!人生にワクワクを!」というミッションを定めた。

追い詰められていたふたりは、自分たちも楽しもうと舵を切った。そこでコロナ禍になり、思いがけず売り上げが伸びる。その波に飛び乗り、絹子さんはベーグル作りで、深田さんはインスタで遊び心を解放した。

それがベーグル好きを惹きつけ、オンライン通販で早い時には1分間に約2000個のベーグルが完売するという開業当初には考えられない売り上げを記録するようになったのだ。オンライン通販に関しては、2020年3月から今まで完売記録が続く。

ベーグル
2020年3月以降、オンライン通販の完売記録が続く(筆者撮影)

2025年春、絹子さんが体調を崩してしまったこともあり、今は深田さんがメインでベーグルを焼き、絹子さんはサポート役にまわる。ひとりでは焼ける数に限りがあるためオンライン通販に絞っているが、「お客さんと接していないと、忘れられてしまうのでは」という危機感もあり、月に一度でも店頭販売を再開しようと計画している。

「店頭販売している時は妻が接客をするんですけど、天然なところがあるせいか、けっこう人気者なんですよね。妻に会うために来てくれるお客さんもたくさんいて。 だから、またお店を開けたいなと思っています」

ニュウマン新宿の催事での行列を考えれば、店頭販売を待ち望んでいるファンも多いだろう。ベーグルにアイスクリームを挟む「アイスベーグル」や、冷凍すると品質が落ちてしまうため通販に出していないマスカルポーネを使うシリーズなど店頭でしか売れない商品を販売すれば、また長い行列ができるに違いない。

「うちの強みは商品力だと思うので、もっとオリジナリティーを出していきたいですね。うちにしかないもの作りたいです」と絹子さん。そのアイデアを実現し、売るための工夫を担う深田さん。ふたりがこれからどんなベーグルを生み出すのか、楽しみにしているファンは全国にいる。

【もっと読む】25歳で実家が火事、29歳で重度のうつ病→「どん底の男」が《1日1万個のコッペパン》を焼く「人気パン屋のオヤジ」になるまで。"壮絶な半生"に迫る では、フリーライターの川内イオ氏が、1日3000個のコッペパンを売る「吉田パン」の吉田知史さんに半生を聞いた。
川内 イオ フリーライター

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かわうち いお / Io Kawauchi

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年夏、バルセロナに移住し、スペインサッカーを中心に各種媒体に寄稿。2010年夏に帰国後は、編集者としてデジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部で勤務。2013年6月より、フリーランスのエディター&ライター&イベントコーディネーターとして活動中。スポーツ、旅、ビジネスの分野で輝く才能やアイデアを追って各地を巡る。

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