1分で2000個完売!「人気ベーグル屋」営む"夫婦の正体"。自宅でベーグル作りを独学で習得→店を開くも1日4人しか客が来ず…。逆転人生を聞いた

ベーグルを焼くのも店舗経営も素人だった
「なんでこんなに売れるようになったのか、わかんないんですよねえ」
東京の武蔵小金井にある工房で、アカシアベーグルの店主、深田博司さんは首をかしげる。本当はわかっているけど……という雰囲気ではなく、リアルな困惑が伝わってきた。
ネット通販では、8個、10個、12個入りの3パータンで計200セット用意すると、最短1分で完売する人気ぶり。約2000個分の売り上げだ。
現在は通販のみの営業だが、以前はひと月に2回、店頭販売をしていた。その日には開店の2時間前からお客さんが並び始め、最大50人ほどの行列ができた。
2024年10月、ニュウマン新宿の催事に出展した時にも、催事のスタッフが「今まで見たことがない」と驚くほどの人が並んだ。

これだけの人気の秘密が「わからない」のは、もしかすると比較対象がないからかもしれない。アカシアベーグルは2018年1月にオープンしたベーグル専門店で、深田さんと妻の絹子さん、ふたりで運営している。
驚くべきことにこのふたり、どこかで修業をするどころか、パン教室にすら通ったことがなく、ベーグルのレシピ本を参考に、自宅のキッチンでベーグル作りを習得した。
しかも、深田さんは長らくシステムエンジニアを務め、絹子さんも事務や販売などで働いた経験しかなかった。
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