窪田:フリースクールのほうが肌に合い、可能性を広げることができる子どもも一定数いると思います。
白井:15歳になるまでほぼ学校に行けず、ひらがなも書けなかった子どもがいました。親も心配だったでしょうが、いちばん困っていたのはもちろん本人だっただろうと思います。でもフリースクールに来るようになって、自分のペースで学べる環境の中では、まるでスポンジが水を吸収するかのように知識を身に付けていきました。今はお花を育てる花卉農家になって、私よりも稼いで大活躍していますよ(笑)。
窪田:勉強への拒否感の理由に、目の見えにくさが隠れている子どももいます。しかし本人も親もそれに気付いていないので、「ただの勉強嫌い」だと思われてしまうケースもありますね。
フリースクールが広げる可能性
白井:ディスレクシアなどのLD(学習障害)が注目されるようになったのも比較的最近ですからね。子どもが困っている理由が究明されないまま、みんなについていけなくなればそこで学びの機会が失われてしまう。一斉授業の弊害で、学びの機会を逸している子どもも少なくないと思います。でも、フリースクールはまさに、一人ひとりの個別最適のあり方を探せる場所です。実際にこの過程で、LDや視力障害など、勉強への意欲を阻んでいたものが発見されることもあります。
できることはまだたくさんあると考えていますが、フリースクールでも受け入れ側がいっぱいいっぱいなのが実情です。今はとにかく、家でも学校でもない子どもたちの「第三の居場所」を確保して、多様な経験ができる入り口を増やすことを目指しています。
(構成:鈴木絢子)
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