あみは、「若い頃にもっと恋愛経験をしていれば、自然に受け入れられたのかもしれない」と悔やんだが、今も男性と触れ合うことには大きな壁が立ちはだかっている。
パーソナルスペースは、年齢よっても大きく変わっていく。若い頃と中高年期とでは異なるスペース感が表れることがある。
“茶飲み友達の結婚”はあり!?
みえこ(55歳、仮名)は、たつお(60歳、仮名)と順調に交際を重ね、4回目のデートで真剣交際に入り、将来を見据えた話ができる関係へと発展していた。
やがて成婚退会の時期についても話題に上るようになったが、その報告の際に、みえこは気になることを筆者に口に伝えてきた。
「私、プロポーズを受ける前に、彼に1つ言っておかないといけないことがあるんです。結婚しても男女の関係は持ちたくない。男性も60歳を過ぎれば、そうした関係がなくても大丈夫ですよね」
これに対し筆者は答えた。
「それは人それぞれです。60歳でも70歳でも、夫婦として触れ合いたい、関係を持ち続けたいと思う男性は多いですよ」
また「男性と触れ合いたくないという考えは、若い頃からあったのか」と尋ねると、みえこは言った。
「40代のときには5歳下の彼氏がいて、その人とは男女の関係がありました。でも46歳で別れてからは、誰とも交際していませんし、50代になって今さらそういうことをするのは、正直面倒で……」
実際、50歳を過ぎると女性の体は年々変化していく。閉経とともに女性ホルモンが減少し、性欲が低下するケースは少なくない。そのため「茶飲み友達のような関係で十分」と語る中高年期の婚活女性は多い。
一方で、男性は若い頃の激しい情熱こそ薄れるものの、「女性に触れていたい」「夫婦としての関係を持ちたい」と考える人が少なくない。つまり、男女の感覚のずれは50代以降に入ると鮮明になってくるのだ。
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