50代で初ひとり旅――「どこで何を食べてもおいしい」 彼女が魅了された"2つの国" 有元葉子さんの旅の記憶

ベトナムのレストランで運ばれてきたお料理は「見たこともない、味の想像もつかなくて、すごく刺激的」と有元葉子さんは語ります(画像:『旅の記憶 おいしいもの、美しいもの、大切なものに出会いに』)
ベトナムにイタリアに、人気料理家の有元葉子さんが語る“おいしい話”に触発されて旅に出たという人は数多くいるのではないでしょうか。実は「私の仕事人生、旅人生がスタートしたのは50代からでした」と有元さん自身は語ります。
子育てが落ち着いてきて、旅に出るのは今だと出かけた秋のパリ。家を持つまでにいたったイタリアで一枚ずつ集めてきたヴィンテージのリネン。本当にいいものづくりとは何かを問いかけてくるブルネロクチネリのブラウス……。
世界中を巡った旅の記憶からは、「どうしたら自分を使い切れるかをいつも考えている」と語る有元葉子さんの人生観が垣間見えます。これから先、何を大切にして、何を楽しみとして生きていくか。ヒントにあふれたエールのような有元さんの新著『旅の記憶 おいしいもの、美しいもの、大切なものに出会いに』よりお届けします。
今回の舞台も、「ほんの3日」でとりこになり、年に4回、5回行くようになったベトナムです。
1回目:『50代からの自分時間、初めてのひとり旅は秋のパリ』
2回目:『旅人生出発は50代、呆れられるほど通ったベトナム』
1回目:『50代からの自分時間、初めてのひとり旅は秋のパリ』
2回目:『旅人生出発は50代、呆れられるほど通ったベトナム』
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イタリアから東京へもどる飛行機の中で、次のベトナム行きに思いを馳せ、ベトナムからの帰りには、イタリアへ行くことを考える――。50代の数年間、私はまったくこんなふうにベトナムとイタリアを交互に旅していました。
ほかの国へも行ったけれど、訪れる回数や滞在日数は、この2ヵ国が圧倒的に多かったです。アジアとヨーロッパの南方の、まったく違う2つの国。でも、どちらも海に面した細長い国土で、北と南では食べものも人の気性も文化も違っていて、とても面白い。それにどちらの国も、どこで何を食べてもおいしい、という点で共通しています。
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