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50代で初ひとり旅――「どこで何を食べてもおいしい」 彼女が魅了された"2つの国" 有元葉子さんの旅の記憶

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食べ方はといえば、揚げた魚をほぐして、カリッと揚がった皮やふっくらとした白身を、下にある香草やフルーツと一緒にして、ライスペーパーやレタスで包み、ヌクチャムをつけていただく。味はさっぱりとしていて、香草やフルーツのさわやかさで、ボリュームのあるサラダのような感じ。いくらでも食べられてしまいそうです。

このお料理はミトーの名物で、エレファントイヤーフィッシュという名前だそう。魚の姿揚げを泳いでいるように盛り付けるなんて、ベトナムの人はユーモアのセンスがあるのですね。エレファントイヤーフィッシュはメコン川にはいくらでもいて、残飯に群がる魚群を見たときには、ちょっと複雑な気持ちになりました。上手なリサイクルなのかもしれませんが。

パパイヤに唐辛子塩をつけて食べると…

『旅の記憶 おいしいもの、美しいもの、大切なものに出会いに』(講談社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

さて、ミトーは果物の産地でもあります。メコン川クルーズの地元ツアーに参加すると、木の葉のような舟に乗って、船頭さんのかくオールのリズムでゆっくりと川をくだり、やがてジャングルの中の果物農園に到着します。

農園は大きくてゆったりとした庭みたいな雰囲気で、散歩する道の両側の木々にジャックフルーツやドリアンがぶら下がって実っているのが面白い。

ちょっとお休みして行ってください、とあずま屋に低いテーブルとベンチが用意されていて、もぎたての新鮮なマンゴーやパパイヤ、それに初めて見る名も知らない果物を農園の方が出してくださいました。

食べやすくカットされた果物のそばに、何やらピンク色のものが添えられています。塩と、赤唐辛子の粉が混ざってピンク色になっているようです。

「え? これをつけて食べるの?」と言いながら、パパイヤに唐辛子塩をチョンとつけて頰張ると……あら、これ、おいしい。南国のフルーツ特有のねっとりしたような甘さを、ピリッとくる唐辛子塩が引き締めてくれて、思いがけない新鮮なおいしさです。すっかり気に入ってしまいました。

「パパイヤに唐辛子塩をチョンとつけて頰張ると……あら、これ、おいしい」(画像:『旅の記憶 おいしいもの、美しいもの、大切なものに出会いに』)

日本でも、南国のフルーツはもちろん、柿などの酸味のない果物に唐辛子塩を添えていただくことがあります。人に勧めると、最初はみんな「えっ、唐辛子と塩ですか?」と引き気味なのですが、口に入れてにっこり。「この食べ方、いいですねえ」と喜んでくれます。

撮影/青砥茂樹

構成(書籍)/白江亜古

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