50代で初ひとり旅――子育てが落ち着き「旅に出るのは今だ」と出かけたのは"秋のパリ" 有元葉子さんの旅の記憶

人気料理家・有元葉子さんが、初めてのひとり旅で訪れた秋のパリの様子をお届けします(画像:『旅の記憶 おいしいもの、美しいもの、大切なものに出会いに』)
ベトナムにイタリアに、人気料理家の有元葉子さんが語る“おいしい話”に触発されて旅に出たという人は数多くいるのではないでしょうか。実は「私の仕事人生、旅人生がスタートしたのは50代からでした」と有元さん自身は語ります。
子育てが落ち着いてきて、旅に出るのは今だと出かけた秋のパリ。家を持つまでにいたったイタリアで一枚ずつ集めてきたヴィンテージのリネン。本当にいいものづくりとは何かを問いかけてくるブルネロクチネリのブラウス……。
世界中を巡った旅の記憶からは、「どうしたら自分を使い切れるかをいつも考えている」と語る有元葉子さんの人生観が垣間見えます。これから先、何を大切にして、何を楽しみとして生きていくか。ヒントにあふれたエールのような有元さんの新著『旅の記憶 おいしいもの、美しいもの、大切なものに出会いに』よりお届けします。
今回の舞台は、50代にして初のひとり旅で訪れた秋のパリです。
秋のパリ、初めてのひとり旅
自他ともに認める旅好きですが、本格的に旅をするようになったのは、子どもたちの手が離れてからです。食事やお弁当はもちろん、3時のおやつも毎日作り、家には毎日のように娘たちのお友だちが遊びに来て、にぎやかで慌ただしい日々を送っていました。
毎日やることがいっぱいの専業主婦の生活が終わったのが、50歳前後。それからなのです。今に至る仕事人生、旅人生がスタートしたのは。
海外旅行の経験がなかったわけではないですが、行きたいときに、行きたい場所に、ポンとひとりで飛んでいける自由気ままさこそが、旅の醍醐味だと思っていました。つまり、私はひとり旅をしたかったのです。娘たちが食べるものは自分たちでなんとかできるわね、という年齢になったときに、ついに実行しました。
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