「2人きりでは…」「まだそういうのは…」婚活に苦戦する女子たちがこじらせる"お相手との距離"問題――離れていった男性の一言とは

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たかおがみゆきと同じパーソナルスペースの持ち主だったら、この交際はうまくいったかもしれない。だが、その距離感が違うと、相手がどんなに見た目がタイプの美人で誠実な人柄だったとしても、結婚は難しくなる。

パーソナルスペースの広さや感覚は、過去の恋愛経験によっても影響を受けることがあるのではないか。恋愛経験が豊富な人は、異性との距離感を自然に測ることができ、心を開くのも早い傾向にある。

一方、これまで恋愛を避けてきたり、異性との親密な関係を築く経験が少なかったりした人は、いきなり婚活市場に身を置いたときに、相手を自分のパーソナルスペースに迎え入れる方法がわからず、戸惑いやすい。

恋愛経験が豊富じゃない人ほど…

あみ(35歳、仮名)は、これまで恋愛経験がほとんどなかった。

学生時代は真面目に勉強に打ち込み、社会人になってからは仕事一筋。気がつけば30代半ばになっていた。「そろそろ結婚を」と思い立ち、婚活を始めた。そして、お見合いでまさのり(36歳、仮名)と出会った。

第一印象は誠実そうで話しやすく、仮交際に進展。3度ほどデートを重ねてみると、会話の中でも気配りができるまさのりは、結婚を視野に入れられる相手のように思えた。

ところが、4回目のデートで転機が訪れる。食事の帰り道、並んで歩いていたときに、まさのりが自然な仕草であみと手をつなごうとした。

その瞬間、あみは思わず反射的に手を引いてしまった。

「ごめんなさい。まだそういうのは……」

まさのりは驚いたように立ち止まったが、すぐに笑顔を作り、「無理にしないから大丈夫だよ」と返した。しかし、彼の胸の内には「結婚を考えて交際しているのに、この距離感は大丈夫なのか」という不安がよぎったようだ。

あみ自身も混乱していた。嫌いだから拒んだのではない。

ただ、男性に触れられるという経験がほとんどなく、どう受け止めていいのかわからなかったのだ。これまで築いてきたパーソナルスペースが高い壁となり、好意を持つ相手でさえ受け入れることができなかった。

結局、その後2度ほどデートをしたが2人の距離は縮まらず、まさのりから“交際終了”がきた。

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