朝ドラ「ばけばけ」主人公モデル小泉セツはどんな人か 将来を決定づける幼少期の出来事

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外国人に対する偏見がすさまじく失笑するほかないが、それほど異国人は得体のしれない者だとされていた。子どもならば、恐怖心はなおのことである。

そんななか、3歳のセツだけは怖がることもなく、じっとワレットを見つめていたという。「いくつ?」と年齢を尋ねられ、3本の指を出すセツ。ワレットに頭をなでられると、小さな虫眼鏡を手に乗せてもらった。その虫眼鏡はセツの生涯の宝物となった。

セツの心にいつまでも残り、将来を決定づける

のちにラフカディオ・ハーンを夫とし、人生をともにすることになるセツ。のちにこう振り返っている。

「私がもしもワレットから小さい虫眼鏡をもらっていなかったら、後年ラフカディオ・ハーンと夫婦になることもあるいは難しかったかもしれない」

幼少期におけるこのワレットとの出来事は、セツの心にいつまでも残り、将来を決定づけることになった。

【参考文献】
小泉節子著、小泉八雲記念館監修『思ひ出の記』‎(ハーベスト出版)
小泉凡著『セツと八雲』(朝日新書)
NHK出版編『ドラマ人物伝 小泉八雲とセツ:「怪談」が結んだ運命のふたり』(NHK出版)
櫻庭由紀子著『ラフカディオハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』(内外出版社)
渋沢栄一著、守屋淳訳『現代語訳 論語と算盤』(ちくま新書)
大久保利通著『大久保利通文書』(マツノ書店)
勝田孫彌著『大久保利通傳』(マツノ書店)
西郷隆盛著『大西郷全集』(大西郷全集刊行会)

真山 知幸 著述家

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まやま ともゆき / Tomoyuki Mayama

1979年、兵庫県生まれ。2002年、同志社大学法学部法律学科卒業。上京後、業界誌出版社の編集長を経て、2020年独立。偉人や歴史、名言などをテーマに執筆活動を行う。『ざんねんな偉人伝』シリーズ、『偉人名言迷言事典』など著作40冊以上。名古屋外国語大学現代国際学特殊講義(現・グローバルキャリア講義)、宮崎大学公開講座などでの講師活動やメディア出演も行う。最新刊は『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』( ディスカヴァー・トゥエンティワン ) 、『ひょんな偉人ランキング ―たまげた日本史』(さくら舎)。「東洋経済オンラインアワード」で、2021年にニューウェーブ賞、2024年にロングランヒット賞受賞。
X: https://twitter.com/mayama3
公式ブログ: https://note.com/mayama3/

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