「生きていてもきっと一緒に行かなかった」」亡き夫が嫌がった"山歩き"をくらたまが始めたワケ――彼女の行動を後押しした"山岳漫画"の魅力

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セールのときはテンションが上がって、あれもこれも欲しくなり、「50代でこれは着ないかな」という、冷静になったら着用しづらいデザインのものをいくつか買ってしまったりもしました。

そしてついに先日、都内にある比較的大型の登山用品店で、かねて欲しいと思っていたガスバーナーを買いました。これで熱々できたての山ご飯を作れる!食べられる!憧れの山ご飯への道が一気に開けた感じです。

ついに購入!(写真:筆者提供)

ため息が出るほどおいしいご飯

今まで行ったことのある高尾山や陣馬山では、家で作ったお弁当を食べるばかりでした。それもおいしいんですが、一度だけ、同行した人が持っていた調理器具を使って米を炊いて食べたことがあります。

炊き立てで湯気の出るご飯に、少量のレタスと、少し炙ってしょうゆを垂らした缶詰のオイルサーディンを乗せて、「オイルサーディン丼」にして食べました。

あのときの感動は忘れられません。空の下、緑の木々に囲まれた中での熱々ご飯って、ため息が出るほどおいしいんです。

早速、登山が趣味の友人ユキさんを、山情報を聞くのも兼ねてランチに誘いました。彼女とは「いつか一緒に登りたいね」と話しているのですが、技術体力に差があり過ぎてなかなか実現できていません。

「そろそろ暑さも和らいできたし、山ご飯を作りに行きたいんだ。どこか近場でいいとこないかな」

でも、高尾山は何度か行ったから違う山がいいと私が話すと、「じゃあ、御岳山は?ケーブルカーで山頂近くまで行けるし、山頂からのルートも楽しいよ。日の出山から、つるつる温泉に下山できるし」と、教えてくれました。やっぱりその道に詳しい人に聞くと、早いです。

「温泉あるといいね。ちなみに丹沢ってどうなの?漫画で読んで、いいなと思って」

「丹沢、つい先週行ったよ。ヒルがすごかった」

「ヒル!?」

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