「生きていてもきっと一緒に行かなかった」」亡き夫が嫌がった"山歩き"をくらたまが始めたワケ――彼女の行動を後押しした"山岳漫画"の魅力

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「そう。ヒルが多いんだよ、あの辺り。靴の上にも、たくさんくっついて大変だった」

ヒル……、ヒルか……。ヒルといえば映画「スタンド・バイ・ミー」で、水溜まりにはまった主人公の少年たち4人にヒルがたくさんくっついていたシーンが思い浮かびます。なかなかグロテスクな光景でした。

「目に見えるところのヒルは山で取ったけど、下山して靴の隙間とか確認したら、まだ2匹いた」

笑いながら話すユキさん。

「でも別に、血を吸うだけだから。どうってことなかったよ」

「そっか……、ダニよりましかもね……」

とはいえ、丹沢へ行くのはもう少し山に慣れてからにしようと決意しました。

ちょっと残念な気がする

夫は「山なんか嫌だよ。絶対登らないよ!」という人でした。漫画や本、映画の趣味はぴったり合うのに、アウトドアに対する感覚はまったく違っていて、特に長時間歩いたり疲れたりすることは嫌がる人でした。

夫が生きていても、きっと一緒に山に行くことはなかったと思います。

でも、それで構わなかったし、いくら相性がよくても合わないところなんて細かくいえばいろいろあります。

――でも、一度くらい、無理やりでも高尾山に連れて行っておけばよかったな……。

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あんまり歩かなくてすむケーブルカーやリフトもあるし、山頂には夫が好きそうな食堂もあるし。きっとそのときは、甘党の夫は喜んでソフトクリームやかき氷を食べていたでしょう。

とはいえ、仮にそうでも夫は「もう行かないよ」と、山登りに興味は持たなかっただろうけど、海には何度も行ったのに登山は一度もしていないことを思うと、ちょっと残念な気はします。

漫画ページに続きます。
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