青学のミスコンで優勝も「就活は落ちまくった」 27歳彼女が外資系企業を経て「デジタル庁」に転職した"意外な理由"
そして、念願だったアメリカ駐在が叶う会社に入社。現在はビザ申請に時間がかかっているが、ビザが取得でき次第、アメリカに行く予定だという。
しかしながら、アメリカ、特にシリコンバレーのVCともなれば、これまでと比べ物にならないぐらいの競争を強いられる環境に置かれるだろう。大学時代に芸能界での競争の現実を痛感した田本さんにとって、その環境は酷なものではないのだろうか。

「バレエをやっていたときもミスコン時代もそうだったんですが、そもそも私はめちゃくちゃ負けず嫌いな性格なんです。だからこそ、バレエにもミスコンにも本気で取り組めたと思っています。
それにVCでの仕事は私個人の能力も見られるんですが、どちらかと言えばチーム単位でプロジェクトを進めていく場面が多いので、完全な“個人競争”というわけではないんです。自分の能力をどれだけチームに還元できるか、チームでどれだけ成果を出せたかが重視されるので、そこはまた芸能界とは違う競争になるのかなと思います。
そういう意味では、私は保険や住宅販売のような完全な個人プレーの営業は苦手で。これも、ミスコン活動を通して気づけたことですね」
ミスコンに出たことは「自己成長」につながった
大学時代はキャリアに迷うこともあった田本さんだが、社会人になってからは自分の思い描いたキャリアを歩んでいると言える。それは、本人が語っていたとおり、ミスコンに出て「自分の苦手なこと」「自分が嫌いなこと」を知れたからだろう。
現代のミスコンでは、SNSやライブ配信など評価項目が複雑化している影響で、出場するファイナリストへの負担は大きくなっている。
しかし、それは裏を返せば「自己成長」につながる側面もあると言える。実際に、ミスコンに出場する動機として、「自信のない自分を変えたい」「ミスコンを通して成長したい」と語る人は少なくない。
田本さんの場合も、最初は「就活のため」という動機だったが、結果的には人間的な成長につながった部分は間違いなく存在する。
新卒就活時、多くの大学生は「自分のやりたいこと」で会社を選ぼうとしがちだ。もちろんそれは悪いことではないが、そもそも「自分のやりたいこと」が見つけられる人は多くない。
だからこそ、職業選択の考え方として田本さんのように「自分の苦手なことはなにかを考えて、選択肢を絞る」という方法もありなのではないか。現に、田本さん本人も「大学時代の私が見たら、今の自分は想像できないと思う」と語る。

「大学時代は職業に関する知識が乏しかったから、そもそもどんな仕事があるかわかりませんでした。なので、当時の私が今の私を見たら、『なんでVC!?』ってなると思います。
ですが、ある程度社会人を経験して視野と知識が広がったからこそ、今の自分がVCで働いているのは納得できます。
それもこれも、ミスコンでさまざまな経験を積んで自分のことを知れたおかげかもしれませんね」
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