超一等地なのに閑散の「汐留シオサイト」…同時期に開業、今もランドマークの「六本木ヒルズ」と何が違う? 明暗を分けた"居処"とは

✎ 1〜 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

平日でも、ベビーカーを押す人や若いカップル、観光客で賑わう六本木ヒルズと対照的である。

2つの再開発の明暗を分けたのは?

六本木と汐留を分けたポイントは、「土地のまとまり」と「コンセプトの強さ・継続」にあるだろう。

「六本木ヒルズ」は前述したとおり、テレビ朝日のビルだけでなく、周辺も含めてまとまった土地を森ビルが開発した。一方、汐留は11区画に分けられ、電通や三井不動産、日本テレビなどが別々のビルを建てた。

せっかく広大な土地があったのに、別々に開発したことでビルの乱立になってしまった。

「汐留シオサイト」の街並み
「汐留シオサイト」の街並み。大きな車道と歩道橋、高いビルに囲まれて無機質な印象(筆者撮影)

「カレッタ汐留」の低層部は商業施設になっているが、敷地が狭いため店舗数が限られ、スケールメリットを出せていない。店舗構成も飲食店に偏っており、利用者は周辺のオフィスワーカーが中心だ。

2つ目の「コンセプトの強さ・継続」に関して、「六本木ヒルズ」は“文化都心”をコンセプトに掲げている。

その強さを表しているのが、森タワー最上階の美術館。高い賃料を取れる最上階に、採算性の低い美術館を入れたのだ。

森タワー
最上階に美術館が入る「森タワー」(筆者撮影)

「カレッタ汐留」にも、日本初の広告ミュージアム「アドミュージアム東京」や「四季劇場」といった文化施設がある。しかし、それぞれ地下1階と地上1階。最上階はレストランと美容クリニックになっている。

さらに、「六本木ヒルズ」は2003年の開業から今に至るまで、イベントを開催し文化に触れる場を創出し続けている。

「六本木ヒルズ」と「カレッタ汐留」の公式Xを遡り、過去1年間に開催されたイベントを確認した。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事