中国「ヒト型ロボット」企業がまたも大型資金調達 自変量機器人、200億円超をアリババ系などから

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自変量機器人はヒト型ロボット向けのAIモデル開発とハードウェア開発をともに手がける。写真は同社製のヒト型ロボット「量子2号」(自変量機器人のウェブサイトより)

ヒト型ロボットの開発を手がける中国のスタートアップ企業がまた1社、大規模な資金調達に成功した。

広東省深圳市に本社を置く自変量機器人(Xスクウェア・ロボット)は9月8日、シリーズAの資金調達の追加ラウンドで約10億元(約206億4380万円)の出資を獲得したと発表した。

今回のラウンドのリード投資家は、中国のEC(電子商取引)最大手、阿里巴巴集団(アリババグループ)のクラウド事業部門である阿里雲(アリババ・クラウド)と、国策研究機関の中国科学院の傘下にある投資会社、国科投資(CASインベストメント)の2社が務めた。阿里雲がヒト型ロボットのスタートアップに投資するのはこれが初めてだ。

エンドツーエンドAIに注力

さらに、有力投資会社の国開金融(CDBキャピタル)、紅杉中国(ホンシャン)、渶策資本(INCEキャピタル)が出資に参加したほか、既存株主である生活関連サービス大手の美団(メイトゥアン)の戦略投資部門や、投資会社の聯想之星(レジェンド・スター)、君聯資本(レジェンド・キャピタル)も追加出資に応じた。

2023年12月に創業した自変量機器人は、ヒト型ロボットの頭脳となる(タスクの実行に必要な全ての判断をAI[人工知能]が行う)エンドツーエンド機械学習の基盤モデル開発に注力している。また、ハードウェアの面でも(画像、音声、触覚などの異なる情報を同時処理できる)マルチモーダルAIを用いた自社開発ロボット「量子2号(クアンタX2)」をすでに発表済みだ。

同社の創業者でCEO(最高経営責任者)を務める王潜氏は、中国の理工系最高学府である清華大学の大学院を卒業後、アメリカの南カリフォルニア大学の博士課程に留学。ロボットが人間の認知プロセスを模倣するアテンションメカニズムの研究における先駆者の1人とされる。

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