中国農業銀行、「時価総額ランキング」で初の首位 A株は年初来4割超上昇、高配当が投資呼び込む

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都市部の金融サービス市場が飽和する中、農村部に強い中国農業銀行の営業基盤が投資家に評価されている(写真は同行のウェブサイトより)

中国の4大国有銀行の1つである中国農業銀行が、中国の上場企業の時価総額ランキングで初めて首位に躍り出た。

農業銀行は上海証券取引所に人民元建てのA株を、香港証券取引所に香港ドル建てのH株をそれぞれ上場している。9月4日、同行のA株は前日比5.17%高の7.52元(約156円)で取引を終え、終値ベースの過去最高値を更新。H株も値を上げ、終値は同2.06%高の5.43香港ドル(約103円)で引けた。

その結果、農業銀行の時価総額はそれまで首位だった中国工商銀行を上回った。中国の調査会社Windのデータによれば、9月4日の農業銀行の時価総額はA株とH株の合計で2兆5500億元(約52兆9678億円)、工商銀行は同2兆4900億元(約51兆7215億円)だった。

安定収益銘柄の評価定着

2025年春以降、農業銀行の株価はほぼ右肩上がりに値上がりしており、年初来の上昇率はA株が47%、H株も30%に迫る。それに対し、工商銀行株の年初来上昇率はA株が14%、H株が17%にとどまっている。

農業銀行株の値上がりの背景には、国有大手としての安定した経営に加えて、2024年度の実績で32.2%という配当性向の高さが投資家の長期資金を呼び込んでいることがある。

足元では株価純資産倍率(PBR)が0.98まで上昇し、2025年度の配当利回りはやや低下する可能性がある。とはいえ、市場関係者の間では「債券的性質を持つ安定収益銘柄」としての評価が定着しており、投資先としての魅力は減じていないとの見方が主流だ。

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