中国農業銀行、「時価総額ランキング」で初の首位 A株は年初来4割超上昇、高配当が投資呼び込む

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農業銀行はかつては農村金融専門の金融機関であり、4大国有銀行の中では地方の農村部に突出して強い営業基盤を持つ。ここ数年、同行は「三農(農業・農村・農民)」支援に重点を置く地域密着型の金融サービスに力を入れ、業績面でライバル行をしのぐ成果を上げた。

中国農業銀行の営業ネットワークは中国全土の農村部を網羅している。写真は甘粛省の農村店舗(同行のウェブサイトより)

「農村部は(融資先の規模や数などの)リソースの豊かさでは都市部に及ばないが、(金融サービスの)潜在的な成長余地がまだ大きい。都市部の市場がすでに飽和状態にある中、農業銀行には(ライバル行にはない)固有の優位性がある」

財新記者の取材に応じた銀行業界のベテラン関係者は、そう高く評価する。

地域密着型金融に伸びしろ

農業銀行が8月末に開示した2025年上半期(1~6月)の決算数字も、上述の評価を裏付けている。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

県レベルの地方における同行の融資残高は6月末時点で10兆7700億元(約223兆7112億円)と、1年前より9.3%増加。融資残高全体の伸び率を2ポイント上回った。また、上半期の純利息収入は同行全体では前年同期比2.9%減少したが、県レベルの地方に限ると同0.4%増加した。

(訳注:中国の「県」は地方の行政単位の1つで、日本の「町」に近い)

もっとも、農業銀行の時価総額を中国首位に押し上げた要因には、高配当と地域密着型金融サービスを材料にした思惑買いもある。金融業界の競争が激化する中、同行が地域密着型の強みを生かし、総合的な金融サービス能力と資本効率を高められるかどうかは、さらなる検証が必要だ。

(財新記者:範浅蝉)
※原文の配信は9月5日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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