日本と欧州の発想を融合が強み--独系軸受け大手シェフラージャパン自動車部門社長・四元伸三氏

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--日本国内には有力な自動車部品メーカーがたくさんあります。外資系メーカーとして、シェフラーの特徴や優位性を、どのように発揮する?

欧州の自動車メーカーと日本の自動車メーカーでは、技術進化の方向性が少し違っています。たとえば、日本の自動車は多くがオートマチックトランスミッションを採用していて、その変化の中でCVT(無段変速機)がある。

ところが、欧州では手動変速(マニュアルトランスミッション)が非常に重要です。最近はオートマチックとマニュアルの中間に位置するデュアルクラッチという技術もよく使われています。これは燃費が良く、しかも運転する楽しみみたいなものがある。

こうした背景によって、シェフラーは日本の部品メーカーにないユニークな技術をいくつか持っています。金属ベルトでなくてチェーン使ったCVTなどが、そうです。そういったユニークな技術、製品がシェフラーの強みのひとつであると思います。

また、今後は、新しいグローバル化への対応が重要なキーワードになります。自動車メーカーの場合、生産はアメリカだが、設計と部品調達は日本でおこなう、というような例が、現在は数多くある。でも今後は、ローカライゼーション(現地化)をともなう、本当の意味でのグローバル化が進んでいくでしょう。

--ローカライゼーションとは?

ローカライゼーションには2つの意味があります。ひとつは、製品をそれぞれの国や地域にあったものにしていくこと。もうひとつは、開発や生産が現地化することです。
 その点、シェフラーはすでに新興国に生産拠点をもっていますし、研究開発拠点も世界40カ所に広がっている。新興国の材料についての研究開発も進んでいます。ですから、今後、日本の自動車メーカーがグローバル化、現地化しよういうときに、いろいろな提案ができると思います。

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