日本と欧州の発想を融合が強み--独系軸受け大手シェフラージャパン自動車部門社長・四元伸三氏
--日本で開発を強化することのメリットは?
有力な部品メーカーがたくさんあること、そして優秀なエンジニアが確保できることです。
また、欧州と日本では技術進化の方向性が異なっています。違いは新しいものを発見するためのきっかけでもあるので、異なるものを上手く結びつけていきたいと考えています。欧州でドイツ人だけが発想するのではなく、日本での発想が生かされることによって、より新しいものが生まれるのではないかと思います。
もうひとつ、やはり日本で開発に取り組むことで、日本のお客様に対する理解度がより深まるというメリットもありますね。
--日本の自動車産業の先行きをどう見ますか。
人口減少と高齢化によって、日本国内での自動車販売台数は減少していくでしょう。ただ、日本の自動車メーカーの競争力はまだまだ強い。世界の自動車生産台数の約3割を日本の自動車メーカーが作っている。この存在感は今後も続いていくと思います。日本の自動車メーカーが、われわれにとって大切なお客様であることに変わりはありません。
また、ハイブリッド車などの先進的な技術はこれからも日本で生まれると考えています。さらに、世界全体の自動車の台数が増えれば増えるほど、安全や環境への要求は高まっていく。そうした場面では、日本の自動車メーカーの技術が世界をリードすることになると思います。だからこそシェフラーは日本でのR&Dを強化して、日本でのビジネス拡大に本気で取り組んでいくのです。
日本の論調を聞いていますと、日本の自動車メーカーは存在感を失っていくかのようなイメージがありますけれど、我々はそうは思っていません。