老化のカギとなる体の中に存在する「組織」の正体…知られざる細胞の主役「ミトコンドリア」を徹底解説

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「食べたものがエネルギーになる」とはよく聞きます。しかし、実際に食べたものをエネルギーに“変換”してくれている存在があるのです。

その存在こそ――ミトコンドリアです。

エネルギーは体を動かしているときだけ、消費しているわけではありません。何もしないで考えている時も、さらには、「ぼーっと生きてんじゃねーよ」と言われてしまうくらいぼーっとしていても、生きている限りは、エネルギーが必ず使われています。

生きている、ということはエネルギーを消費し続けることになります。

エネルギーは岩波国語辞典によると、「物理学的な仕事に換算しうる量の総称」と定義されていますが、その1つに、化学物質が化学反応により、ほかの物質に変化するときに放出される化学エネルギーというものがあります。

たとえば、石油という化学物質は、火をつけるという化学反応によって、一気に燃え上がります。すなわち火に変化することによって、大量の熱エネルギーが放たれます。

私たちの体の中にはこの化学エネルギーを持っている物質があり、ATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれています。

私たちはATPというエネルギーの源を作り、それを変換して、生きています。この大事なATPを作っているのが、さきほどの有能な企業である、「ミトコンドリア」なのです。

ミトコンドリアは細胞のエネルギー工場

ミトコンドリアは、私たちの体をつくる細胞の中にある、小さな小さな“器官”です。しかし、この器官は、ここまで述べてきたように、私たちが生きて活動していく際に不可欠なATPというエネルギーを作り出す“工場”にほかなりません。

この工場の製品はATPになりますが、その原材料は酸素と栄養素です。私たちは呼吸をして、食事をとりますが、この基本的な活動は、この工場に原料を供給して、エネルギーを得る活動なのです。

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