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「100坪超の店が次々消滅…」ピークの4分の1に縮小した≪はなの舞≫が"深夜営業"をやめて見いだした活路

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こうした現状を如実に示しているのが、時計メーカーのシチズンが2023年10月に行ったアンケート調査だ。全国20~50代のビジネスパーソン400人を対象に行ったレポートでは、「会社の飲み会で『そろそろ帰りたい』と感じ始める時刻」という質問に対して、最も多い回答が「21時(23.8%)」、次点で「20時(17.0%)」という結果が出た。

調査当時の2023年は、新型コロナウイルスが5類に移行した元年で、リベンジ消費が顕著に喧伝された時期だ。しかし、居酒屋業態に関しては、巣ごもりの反動どころか、外飲みを控える傾向が続いていることが確認できる。

実際に、会社の飲み会文化が減ったことで、内心ほっとした人は一定数いるはずだ。「なぜ退勤後まで上司に付き合わないといけないのか」「翌日の仕事に影響が出るから早く帰りたい」「家族に気を遣ってまで飲むのが気苦労」などと、本来楽しいはずの宴会が負担となるケースも多々あっただろう。

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はなの舞のメニュー(筆者撮影)

深夜は収益性が高い時間帯だった

こうした潜在的な声がパンデミックと重なり、居酒屋業態は大きなあおりを受ける結果となった。コロナ禍の打撃について、チムニー取締役常務執行役員の寺脇剛氏が語る。

「コロナ前は深夜帯のお客さんは、売り上げや利益面でありがたい存在でした。終電以降は何軒かハシゴして来られる方が多いので、料理の注文が少なめです。頼んだとしても枝豆やポテトフライといったつまみ程度で、あとはお酒を何杯か注文する人が大半。2010年代半ば当時で、深夜帯の客単価は2200円ほどでしたが、それでも人流が少ない時間帯に席を埋めてくれる層は助かりました。

それが現在では20時~22時前後に帰る人が増えました。コロナ禍による宴会文化の減退や、慢性的な物価高、ハラスメント問題、JRや私鉄の終電繰り上がりもあり、2軒目需要が激減したのです。

当社は居酒屋の企業なので、お酒を飲む機会は多いんですよ。コロナ禍以前は、いくつかの部署を跨いで飲み会をやって、終電を超えて10人程度で飲む機会が頻繁にありました。

それがいまや、忘年会や新入社員の歓迎会では、お酒を無理強いしないよう『今日は飲みません』と示す札をつけるルールができました。ハラスメントに敏感な風潮もあり、自然と少人数で、1軒目でお開きになる飲み会も増えました。こうした飲酒文化の変化は、個人的にここ最近で一番の出来事ですね」

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