【独自】文芸春秋「早期退職者募集」の深刻背景、"文春砲"で知名度は抜群だが経営的には大苦戦、社員からは経営陣への不満が噴出
政治家、芸能人などをはじめとする有名人の不祥事やスキャンダルを大々的にスクープ報道することで知られる文芸春秋。読者からの高い支持によって大いに稼いでいるのかと思いきや、実はそうではない。業績悪化が続く中で、50代社員を対象にした希望退職の募集を実施することが東洋経済の取材でわかった。
10月21日、2段階に分けた説明会が行われた。前段は全社員向け説明会、後段で対象者の50代に絞った説明会である。社長が「特別早期退職プログラム」の趣旨を説明。総務局が制度の概要についてレクチャーを行い、その後は大手人材サービス会社からは退職後のキャリア支援の説明もあった。
よくある、典型的なリストラである。
好条件のようにも見えるのだが
文芸春秋には、これまでも「選択定年制」と呼ばれる希望退職制度があったが、今回の特別早期退職プログラムでは今年度限りの措置として特別退職金を手厚くした。

その詳細を見ると、月給の数十カ月分が上乗せされるなど、なかなかの好条件のようにも見える。しかし、文芸春秋の社員の表情はさえない。「月給という点がポイント。うちは年収に占めるボーナスのウエートが大きく、月給は抑えられているからだ。しかも月給は年齢給や職能給などコアの部分になるので、思ったほどもらえないとの印象だ」(社員の1人)。
説明会に参加した社員によれば、「全社員を対象にした説明会では『あくまで自由意志であって強制ではない』『50代以上の方々は退職を検討して(現役)社員に貢献していただきたい』と、下手に出てお願いするようなニュアンスだった」。それが、「50代の社員に限定した説明会になった途端、態度が一変した」という。


















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