【独自】文芸春秋「早期退職者募集」の深刻背景、"文春砲"で知名度は抜群だが経営的には大苦戦、社員からは経営陣への不満が噴出

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直近の社員数は増加傾向にある。オンライン事業の拡大に伴ってIT人材を採用し、社内で制作する態勢を整えているためだ。「中途採用を増やした挙句にこれまで貢献してきた社員を切るなんて」と社員はやるせない表情を浮かべる。

今回のプログラムについて問い合わせたところ、文芸春秋は「人事施策を含めた経営戦略上の課題については、社外へ公表していないため、回答は差し控えさせていただきます」とコメントした。

【2025年10月28日15時40分追記】初出時、今回の特別早期退職プログラムについて「退職勧奨」と記述し、「後日、対象者には役員から退職勧奨がある」との説明があった、と記述しましたが、そのように説明した事実はなかったので、当該箇所を削除しました。

出版事業の不振で10年間で7年も営業赤字

今回、文芸春秋がリストラに踏み込んだ最大の要因は業績の悪化だ。

同社の2024年度の売上高は188億円。この10年間で100億円程度も減少している。営業損益も14億円あまりの赤字。この10年間で見ると、17〜19年度、21〜24年度と7期も赤字決算であり、営業赤字が常態化しているといえる。

「ひとえに出版事業の不振が原因。どれだけ“文春砲”だなんていっても、週刊文春はほぼ毎号赤字の状態。グラビアページを削減したり、(専属契約を結んだ)特派記者の原稿料を削減したりしているが、それでも赤字から脱することができない」(関係者)

雑誌を展開している出版社はどこも厳しい環境にあるが、IP(知的財産)ライセンス、オンライン事業など本業から派生した事業によって黒字経営の会社はいくらでもある。それに対して文芸春秋は、長期にわたって赤字体質から脱することができていない。経営陣はこの状況を見過ごすことができず、ついにリストラに踏み込んだ。

ある有力OBは「文春は社会主義的な会社。全員の基本給を下げるなどしてこの難局を乗り切ると思っていた。IT人材を社内で抱えるようになり社員数が増えていることも原因だろうが、それにしてもそこまで追い詰められていたのか」と慨嘆する。

文芸春秋は、いったいどこへ向かうのだろうか。

東京・紀尾井町にある文芸春秋の本社(写真:編集部)
特別早期退職プログラムの詳細と人員削減に踏み切らざるをえなかった背景事情は、東洋経済オンライン有料版記事「激震!文芸春秋、いったい何が起きているのか? "文春砲"で知名度あっても4年営業赤字、ついに導入の「特別早期退職プログラム」に社員は反発」でご覧いただけます。
東洋経済 メディア取材班
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