「道頓堀に飛び込む奴は、ほんまの阪神ファンと違うで」という声も…。2年ぶりの阪神タイガース優勝、ファンに起きていた"異変"

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藤川球児は「大阪、関西、日本」だけでなく「世界」を視野に入れて戦っている。これも「前の優勝とは違う」という印象を抱かせた。

この日の夕方には石破茂総理辞任の大ニュースがあったが、翌朝の関西民放のトップニュースはすべて「阪神優勝」だった。虎の法被やユニフォームを着たアナウンサーが満面の笑みで「やりましたー」と言い、各局専属の「元虎」解説者がわがことのように喜び、タレントが囃し立てる。お決まりのパターンが繰り返された。NHK関西も「民放か?」と思えるような浮かれぶりだった。

なぜか阪神の活躍を報じるときは、どの局のアナウンサーも「関西弁」になる。関東など他の地方出身のアナはこのときばかりは「お呼びでない」わけだ。

「道頓堀ダイブ」は阪神ファン固有の"習性"

優勝が決まった日曜日の夕方、筆者は京セラドーム大阪でオリックス戦を観戦した後、東に2㎞ほどの距離にある、道頓堀川の様子を見に行くことにした。1985年の優勝以来、この川にかかる「えびす橋」からのダイブが阪神ファンの恒例行事になっていた。この年にはカーネル・サンダース人形が犠牲になった。

両サイドにびっしりと「ダイブ禁止」の横断幕が張られた道頓堀川(写真:筆者撮影)

それ以降も、阪神優勝のたびに「道頓堀ダイブ」が報じられたが、なにわの町の治安をつかさどる大阪府警にとっては、沽券にかかわる事態となっていた。それ以降、関西チームが優勝しそうになると、大阪府警は過剰なまでに警戒するようになった。

御堂筋で待機する大阪府警(写真:筆者撮影)

2021年にオリックスが優勝したときも、大阪府警は多くの警察官を周辺に配備して身構えたが、一人も飛び込まなかった。オリックスは3連覇したが、ダイブした人はいなかった。

要するに「道頓堀ダイブ」は、関西人の習性ではなく「阪神ファン固有の習性だ」ということが明らかになったのだ。

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