日本の「食」と「零細企業」は外国人労働者が支えている 「犯罪抑制か、零細企業の存続か」トレードオフの現実
このような状況下で、存続の危機に瀕した零細企業が外国人労働者の受け入れ拡大を求めるのは、必然的な流れと言えます。事実、事業所あたりの外国人労働者の平均は3.9人ですが、特に従業員30人未満の企業では、外国人労働者が全従業員に占める割合が26.0%にも達し、他の規模の企業と比べて最も高くなっています。
つまり、人口減少を背景に、まず最も規模の小さい企業から日本人労働者がいなくなり、その穴を埋めるために外国人を求めているという構図が浮かび上がります。外国人労働者の存在が、多くの零細企業にとっての「延命措置」となっているのです。
極論すれば、「安くこき使えたはずの日本の若者が確保できなくなったため、それに代わって安くこき使える外国人労働者を誘致してほしい」というのが、一部の経営者の本音でしょう。
そして、最も賃金を抑えられるのが若者であるため、必然的に若い外国人労働者が求められます。しかし、皮肉なことに、その若年層こそが最も犯罪率の高い属性であり、結果として治安への影響が伴うことになるのです。
「外国人労働者の規制強化」は何をもたらすか
このような状況を受け、例えば参政党のように、外国人労働者による治安悪化を懸念し、その受け入れを制限しようとする動きが出てきます。
しかし、外国人労働者の受け入れを制限すれば、労働力不足が深刻化し、零細企業や中小企業は廃業や倒産に追い込まれていくでしょう。特に、先に見たように外国人労働者に大きく依存する食料関連産業への打撃は、計り知れないものになると考えられます。
「外国人労働者は不要だ」という主張に対し、「その場合、論理的な帰結として零細企業の淘汰が進む」と指摘すると、「それも受け入れられない」という反論が返ってくることがあります。そして、打開策を問うと、「財務省を解体し、積極財政で対応すればよい」といった、現実離れした答えが返ってくることさえあるのです。
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