「忘れ物がないよう持ち物をチェック」はNG?恋愛関係の構築がうまくいかず、最終学歴も低い傾向…子供の「考える力」を奪う親の行動とは
過保護や過干渉を控え、子ども自身にやらせてみる勇気を持ってください。もちろん危険を伴う場合や重大な問題につながる場合は介入が必要ですが、そうでない場面では多少の失敗や遠回りは貴重な学習機会と捉えてください。
忘れ物をして困ったら次はどう防ぐか一緒に考える、友達とのケンカもまずは子ども自身に解決させてみるなど、親が子どもの人生を代行せず、子どもが自分で問題を発見し、試行錯誤し、修正しながら乗り越えるプロセスを経験させてあげてください。
そうすることで、レジリエンス(困難に立ち向かう力)や自己効力感が高まります。一歩引いて見守る親になることが長い目で見て子どもの自立を助けるのです。
ルールや方針は子どもと対話しながら決める
親の権威で押さえつけるのではなく、できるだけ子どもと対話しながらルールや方針を決めるよう心がけてください。もちろん絶対的に重要な礼儀や信用にかかわることなどは親が与える絶対ルールで問題ありません。
そういった問答無用に重要なもの以外については、頭ごなしの命令ではなく、「なぜそれが危険なのか」「どうしてそれをしてはいけないのか」や「なぜそれをすることが重要なのか」「どうして続けなければならないのか」などを噛み砕いて説明し、子どもにも意見を言わせてみてください。
心理学者ローブ氏も「親が子どもに自分で考えさせ、親とは異なる意見を表明させることは非常に重要である。10代の頃に思考と行動の自立を育むことはより健全な大人へと導く」と述べています。
実際、マギル大学のビクトリア・タルワー博士の研究でも、子どもに嘘を責めて罰するより「正直でいることはなぜ大切か」を説いたほうが、子どもが自発的に正直になったという結果も出ています。
頭ごなしの命令や罰に頼らず、子どもが納得して行動を選択できるよう導くことが、内面的な思考力・判断力を育てる近道なのです。
ここまで見てきた親のNG行動は「子どもから自分で考える機会を取り上げてしまう」という共通点があります。
忙しさや不安からつい手や口を出してしまう気持ちは親として自然なものですが、目先の安心・効率と引き換えにしているものは、子どもの明るい未来かもしれません。どうか勇気を持って、ぐっと見守ることを意識してみてください。子どもが「わからない…」と悩んでいるとき、すぐ教えるのではなく「どうしたらいいかな?」と問いかけて一緒に考えてみる。
過保護・過干渉になりそうな場面では、一歩引いて小さな失敗を経験させてみる。命令したくなるときこそ、グッと堪えて子どもの意見に耳を傾け対話してみる――。そうした積み重ねによって、子どもは少しずつ自分で考え、判断し、行動できる力を身につけていきます。
考える力は子ども自身の中にある人生の羅針盤とも言える重要な非認知能力です。お父さんお母さんが本当にわが子の幸せを願うなら、これまでの習慣を見直し、これらの小さな積み重ねを大切になさってください。将来マニュアルに頼らず自分の頭で考え、道を切り拓いていける大人へと育つ大きな一歩になるはずです。
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