北は北海道、南は沖縄まで…建設会社の「献血イベント」に1000人以上が集まる理由
もちろん、これは先方の思いもあることですから、正弘さんの思い描いたようにはなりませんでした。しかし、本物の優しさをもっている人でなければ、ここまで他人に親身になることはできないと私は思います。
ここに、亡くなった社員の遺児に向けて会社がつくった、在りし日のお父さんの様子をおさめた冊子があります。私はこんなにも温かい「お別れのアルバム」をいまだかつて見たことがありません。
故人にあてた「ご報告」
そこには正弘さんの故人にあてた「ご報告」と、家族写真がのせられていました。正弘さんは、社員が亡くなった直後の夏休みに、遺児たちを連れてディズニーランドに行っています。家族写真はそのときに撮ったものです。写真には少し寂しそうに微笑む奥さんと、日焼けした2人の子どもたちが写っています。
「大丈夫。君がいなくなっても、家族はちゃんと楽しい夏休みをすごせたよ。家族の面倒は俺が見るから安心しろ」
正弘さんの声が聞こえてくるようでした。
写真の横に添えられた正弘さんの「ご報告」を紹介します。こんなに温かい会社で働けたら、社員たちも本望でしょう。
「お父さんは、夏休みまでに今のお仕事を終わらせて、夏休みにどこかへ連れていく、と約束していた」と……。
きっと何か計画していたのでしょうね。
君の無念さを痛烈に感じました。
「お父さんから頼まれていたから、社長が代わって約束を守るよ」と言葉を付け加えて……。
「ディズニーランド」と「ディズニーシー」にご招待しました。
「社長、すごく楽しい。次は社長も連れて行ってあげるね」と言ってくれました。
奥様からも「悲しいだけの夏休みにならなくてよかった」とお礼の連絡をいただきました。本当に嬉しかった
君の代わりとなって、一定額の育児資金を支給し続けることになっています。
社員一丸となって、君のお子達を応援していきます。
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