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「面白かった」しか言えない人へ…哲学者が教える「感想を自分の言葉できちんと"言語化"できるようにする」ためのコツ

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このカギ括弧テクニックは、自分なりの辞書をつくるような営みでもあります。

「自分にとっての○○とは何か」を意識的に言語化していくと、それまで曖昧に感じていた価値観や好みがはっきりと輪郭を持ち、他者に説明しやすくなっていきます。

「ハチワレ」のカギ括弧を使う効果

これは余談ですが、ここでお伝えしたカギ括弧テクニックを多用している例として、ナガノによるマンガ『ちいかわ』に登場するハチワレを挙げることができます。

ハチワレは青いネコの姿をした同作の大人気キャラクターですが、主人公のちいかわとのほのぼのとした日常が描かれるとき、ハチワレの吹き出しにはカギ括弧が頻繁に使用されています。

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「お出汁」とか、「どんぐり」とか、カギ括弧でくくられる単語はまったく特別なものではありません。しかし、ハチワレがわざわざカギ括弧を使ってその名前を「呼ぶ」ことで、そこには独特の「味」が生まれてきます。

すると、そこで名指されている「お出汁」や「どんぐり」といったものもなんだか特別なもののように見えてきて、他のノーマルなお出汁やどんぐりとは区別された概念として立ち上がってくるようです。

マンガ的な演出としては、私たちにとっては当たり前のものでも、まだそんなに物を知らないハチワレたちにとっては、日々新しくて特別な出会いにあふれていることを強調するような効果を持っていると思います。

特別感を持たせて、そのものをもっと深く、丁寧に「味わう」。カギ括弧をあえてつけてみることにはそういう効果もあるのです。

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