地方の怪物はなぜ消えた?「地方出身の東大合格者が減少」の裏にZ世代を委縮させる"SNSの圧力"

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勉強の世界でも同じことが言えるのではないかと僕は考えています。

「その地域でいちばん頭がいい子」がいたとして、昔なら「自分がいちばん頭がいい!」と信じることができたのに、今は「SNSで見たら、もっと成績のいい人がいっぱいいる。自分なんかまだまだなんだ」と考えるようになってしまい、「東大は自分には無理でしょ。もっとすごい人が行く大学だから」と言ってしまう人が増えたのではないか、と考えられます。

個人的には、これはメディアの「東大」の扱い方が悪かった面もあるのかもしれないと考えています。やはりテレビで見かけるような東大生のイメージとしては、「小さい時からとんでもなく頭がいい人」「なんでもクイズに答えられるような大天才」というものとして固定化されてしまったのではないか、と。

「そういう人と比較して、自分は劣っているから、東大なんか無理だ」と考える学生が増えてしまっているのではないかと感じます。でも、メディアに出ているような東大生って、東大の中でも上澄みで、東大の中でもトップクラスの人たちばかりです。

「すごい人」ではなく「普通の人」の物語を

自分は、地方の学校の講演でも、「すごい人」だと思われないようにしています。あえてゲームの話をしたり、高校時代の失敗の話をしたり、バカだった時のエピソードを共有したりして、あえて尊敬されないように振る舞っています。それは、実際自分が尊敬されるような人間ではないというのもありますし、「すごい人」だと思われてしまっては意味がないと思っているからです。「すごい人」ではなく「自分と同じような人」が、それでも努力した結果なんだと思ってもらえる方が、「テレビで見るような東大生にはなれないだろうけど、でも西岡さん程度にならなれるんじゃないか」と思ってもらえるかもしれないからです。

「ドラゴン桜2」では、東大に合格する人の共通点は、「東大を目指すこと」だと説明されています。

※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください。

漫画『ドラゴン桜』
漫画『ドラゴン桜』
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
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