しかし近年、そんな僕の思いに反して、リアルドラゴン桜はどんどん減っています。
実際のデータからもその傾向は明らかです。代々木ゼミナールの出しているデータによると、東大の前期日程合格者の出身地では関東以外の地区(近畿を含めた地方全体)の割合は、2005年あたりの52.6%から2025年には38.3%まで14.3ポイントも減少しています。つまり、東大合格者における地方出身者の割合は、この20年で急激に減っているのです。
私の周りの東大生たちは、地方から塾にもほとんど行かずに東大に合格するような天才を「地方の怪物」と呼んでいました。しかし最近は、そういう存在をめったに見かけなくなりました。
もちろん、東京一極集中で人口比率自体が都市部に偏っているため、地方学生が減るのは当たり前といえば当たり前です。しかし、人口動態の問題だけでは説明がつかないほどに、逆転合格する「リアルドラゴン桜」的な人材が少なくなっているのではないかと感じます。
なぜ「リアルドラゴン桜」は減ったのか
なぜ「リアルドラゴン桜」は減ってしまっているのか?
実はこれと同じような現象は、勉強だけじゃなくて、音楽の世界や芸術の世界でもいえるそうです。
ギターの世界でも、すごいギタリストがいきなり現れる、みたいなことが昔は発生していたそうですが、今はなかなかそういうことはないのだとか。
その理由として考えられるのは、SNSやYouTubeの発達だと言われています。例えば以前は、ギターが上手い人が少し練習して「上手く演奏できるようになれた。ひょっとしたら自分には才能があるんじゃないか」と考えてもっと練習し、もっと上手になる、というようなことが発生していました。
しかし、最近はSNSやYouTubeで、自分より上手い人をどんどん見ることができるようになっています。だから、根拠のない自信を持てる人が少なく、途中で「自分には才能がない」と諦めてしまう人が多いのではないか、という説です。かなり信憑性が高そうだと感じられますよね。
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