常連さんに麻婆豆腐を振る舞ったスナックママ、《自家製豆板醤》で"高級中華と遜色ない味"を実現→「麻婆豆腐の素」が大反響になるまで

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さらに、近くの飲食店・店主からも「横浜の中華街で食べた高級中華と遜色ない味だ。ぜひこの味をうちの店でも出したい」と言われ、まずは飲食店の卸用に「麻婆豆腐の素」を開発することになった。

商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント

商品化の際は、飲食店や自宅で簡単に調理できることをポイントにした。

素にはひき肉はすでに入っているため、後は豆腐と片栗粉を用意すればよい。(片栗粉はなくても大丈夫)。自分でひき肉を買ってきて炒める必要はなく、かなり手軽に本格的な味が楽しめるのが魅力だ。

調理の様子
調理の様子(筆者撮影)

ひき肉は、豚と牛の合いびき肉で、脂や赤身の割合、豚と牛の比率は肉の加工業者と直接やり取りしながら最適なバランスを探った。

「もう百回くらい作りました」とミンミンさん。脂っぽくなりすぎず、おいしく食べられるバランスを徹底的に追求して味を決めた。

完成した「麻婆豆腐の素」を最初にリクエストしてくれた飲食店に卸した後、坂口さんはさらに地元の飲食店にサンプルを渡して回り卸先を拡大した。

さらに、道の駅には「麻婆丼」や「麻婆豆腐」を惣菜の形で売り始め、併せて家庭向けにラベルを貼ってパッケージを整えた「熊本敏敏 麻婆豆腐の素」も置いてもらうように。徐々に浸透し、売れ行きが良くなってきたタイミングで総菜を辞めて「麻婆豆腐の素」だけの販売にした。

「総菜は売れ残るとロスになってもったいないと感じていました。その点『麻婆豆腐の素』なら賞味期限は半年と長くロスも少ないのが良さです」(坂口さん)

最終的に、熊本県内の飲食店約10店舗、道の駅やスーパー、百貨店へは5カ所ほど素を取り扱ってもらうようになった。

素の開発からわずか3年、かなり好調な広がりに思えるが、坂口さんは「今は地元だけなので、もっと広く広げたいですね」と意気込む。

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