常連さんに麻婆豆腐を振る舞ったスナックママ、《自家製豆板醤》で"高級中華と遜色ない味"を実現→「麻婆豆腐の素」が大反響になるまで

陳敏敏(チンミンミン)さんと坂口斉さん。「熊本敏敏の麻婆豆腐」は開発者である陳敏敏さんの名前から付けられている。店舗の名前は「熊本敏敏」(筆者撮影)
日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い

店内の一角には、仕込み年や番号を振って管理された壺入りの自家製豆板醤がずらり。今も発酵・熟成中である(筆者撮影)
豆板醤は、本来はそら豆をたっぷり使用した調味料だ。本場・四川省ではそら豆を発酵させた「そら豆麹」に唐辛子、粒山椒、塩を独自の配合で加えて、数年かけて熟成させる。
「中国では、豆板醤は『寝かせれば寝かせるほど良いもの』であるとされ、熟成期間が長いほど価値が高まり高価になります。ウイスキーやビンテージワインのように資産価値を持つ調味料なんです」と坂口さん。
一方で、日本のスーパーでよく売られている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近く、本場の豆板醤とは似て非なるものだという。
「裏の成分表示を見ると一番頭には『唐辛子発酵物』とあります。その後にそら豆麹、食塩、みそなどと続くので、やはり日本の豆板醤は塩蔵唐辛子という感じかなと」(坂口さん)
日本で本場・四川と同じように豆板醤を大量生産するのは、湿度や気候の影響もあり非常に難しいとされている。麻婆豆腐を作る日本のメーカーや飲食店でも、本場・四川省の豆板醤を使っているところは非常にまれである。
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