「発言が被害者ヅラ」「謝罪の言葉はないのか」と批判殺到…。広陵高校「校長の逆ギレ会見」が招く"最大の危機"

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7月に被害者が県警に被害届を提出した。さらに8月上旬には、被害者の関係者(と名乗る方から)SNSで事件の詳細な内容が投稿された。その内容があまりに生々しく詳細で、性的強要の内容も含まれていた。

まったくの虚偽告発であれば学校側も完全否定していただろうが、学校側は事件の存在を認め、しかしながら矮小化する説明に終始した。少なくともそう感じたひとは多かっただろう。

そして2023年に起きたとされる、別事案が調査中であると明らかになる。そうなると2025年1月の事案も、偶発的な不祥事ではない可能性が高くなる。一気に世間からの批判が強くなった。結果、冒頭の8月10日に次戦を辞退。記者会見の運びとなった(なお現時点では2023年の事案について学校側は否定)。

なお、ここから記者会見の問題点等を記載していく。

ただ選手名、校長名、野球部監督名等の固有名詞は趣旨ではないので省こうと思う。あくまで事象や構造としての説明としたい。

世の中には、体育会系嫌いのひと(私のことだ)やイジメを受けていたひと(私のことだ)がいて、自己の人生の嫌な思いを重ねて、広陵高校の野球部関係者の実名をさらして批判しているひとがいるだろう。

気持ちはわからなくはないが、まだ刑事事件として確定したわけではない。人権を侵害した人物を責めたい気持ちもわからなくもないが、さらしによって次の人権侵害を生まないようにしたいものだ。

また、批判された野球部関係者が最悪の選択肢をとらないように願う。

記者会見について

なお、被害者の関係者(と名乗る方から)によるSNSでの発表は、ものすごいタイミングだった。一回戦目から出場停止したとしたら加害側に報いを受けさせることになるし、そのまま出場したとしても全日本中に加害側の顔をさらすことになる。そして現実には、世間に顔をさらして、さらに次戦の辞退という結果になった。

10日、広陵高校の校長が記者会見を開いた。私も全編を視聴した。校長は、事案と無関係な生徒をSNS等でさらさないようにと訴えていた。個人的にここは気になって、「加害側はさらしてもいいのだろうか」「またSNSに投稿する一般人は、どうやって無関係な部員と関係する部員を判断できるのだろうか」と思った。それならば、あらかじめ加害の部員のみを出場停止したほうがよかった。

辞退の理由は、不正事案の反省や新事案の発覚ではなかった。「生徒、教職員、地域の方々の人命を守ることが最優先」だった。激化する誹謗中傷、生徒への追いかけ行為、そして寮への爆破予告といった脅威から、「苦渋の決断」だったともした。

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