JASRAC離脱のエイベックス、その2つの狙い 「独占」が崩れた音楽業界では、何が起こる?

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エイベックスが著作権管理をJASRACから移しはじめたのはなぜか?(写真 :kai / PIXTA)

音楽大手のエイベックス・グループ・ホールディングスは、日本音楽著作権協会(JASRAC)に任せていた楽曲、約10万曲の管理を、同社の系列会社である著作権管理会社「イーライセンス」に移す手続きを始めた。JASRACを離脱して独自路線を歩む動きで、音楽業界に衝撃が走った。

JASRACはこれまで、著作権者の代わりに、レコード会社や放送局、カラオケ店、飲食店などから楽曲の使用料を受け取り、分配する業務を国内でほぼ一手に行ってきた。エイベックスは今後、イーライセンスに楽曲の著作権管理を委託し、レコード会社や放送局から独自に使用料を徴収する方針だ。

ネット上では、「著作権管理に競争が生まれ、音楽市場が活性化する」「選択の自由が増えることは、つねに良いことだ」と期待する声が出ている。なぜ今回のような事態が起きたのか。エンタメ法務に取り組み、自らも音楽活動を行っている高木啓成弁護士に聞いた。

2001年に新規参入が可能に

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

JASRACをはじめとする「著作権管理事業者」は、作詞家・作曲家や音楽出版社などの著作権者から「著作権」を預かって、楽曲を使用するレコード会社やテレビ局から「著作権使用料」を徴収しています。そこから、一定の「管理手数料」を差し引いて、残りを作詞家・作曲家・音楽出版社に分配する、という事業を行っています。

たとえば、JASRACは、レコード会社からCDの税抜価格の6%、放送局から放送事業収入の1.5%を「著作権使用料」として徴収します。その後、CDについては徴収金額の6%、放送については徴収金額の15%を「管理手数料」として差し引き、残りを権利者に分配しています。

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