見る、語る、実行するの3ステップを心掛けよ--『言葉力が人を動かす』を書いた坂根正弘氏(コマツ会長)に聞く

世界の建設・鉱山機械の需要バブルはここ30年、82年の産油国バブルから始まって、それがはじけたら、米国、日本、次に東南アジアに移り、そして00年前後の米国のITバブル、その後中国と推移した。04年に中国は一度バブルがはじける。中国がはじけたら米国の住宅・金融バブルになって、今中国のバブルが、またはじけつつある。だが、おカネは今後も世界のどこかに行く。

これからは日本と米国だと、私は見ている。もちろん、新興国の比重が高まる需要トレンドは変わらない。だが、傾向線を引くと、日本と米国、欧州は今、悪すぎる。大きく乖離すれば調整される。欧州は難しくとも、日本と米国は必ず戻ってくる。建設・鉱山機械の需要は世界経済の状況を誇張して映すが、上に上がるときも下に落ちるときも大きくぶれるからわかりやすい。

──長期のスパンで考えよと。

私のタイムスパンは1ケタ違う。超長期、50年、100年で考える。人口が爆発的に増え続け、中間層が増えて、資源、エネルギー、食料、水、地球環境、医療が、世界全体ではものすごい課題になる。あと200年、300年の超々長期でいえば、間違いなく化石燃料はない。使い尽くしている。そのときに人類は何によって生きていくのか。

──言葉の伝え方についてもかなりのページ数を割いています。

この本は、社外の人に参考になるかもしれないが、いちばんはコマツグループの人ではないか。社外秘ぎみの記述も結構入っている。発言の背景や狙いの理解に大いに役に立つだろう。

さかね・まさひろ
日本経済団体連合会副会長。1941年生まれ。島根県出身。大阪市立大学工学部卒業後、コマツに入社し、粟津・大阪工場でブルドーザーの設計を行う。品質管理課、小松アメリカ・サービス部、小松ドレッサーカンパニー(現コマツアメリカ)社長などを経て、2001年社長、07年より現職。

(聞き手:塚田紀史 撮影:大塚一仁 =週刊東洋経済2012年4月7日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

『言葉力が人を動かす』 東洋経済新報社 1680円 220ページ


  
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