見る、語る、実行するの3ステップを心掛けよ--『言葉力が人を動かす』を書いた坂根正弘氏(コマツ会長)に聞く

──課長、部長時代の体験も具体的に例示されています。

見る力は、思い返すと若い時代から訓練を受けてきた記憶がある。20代の頃は設計部門にいた。部門全体で何が問題か、それをどう解決したらいいのか。現状分析と改善計画を手掛けた。当時、もう四十数年前になるが、QC(品質管理)導入が盛んで、社長と、QCの第一人者が来た際に、部門診断をするための診断材料を作った。そこで養った全体を見る目が今につながっている。

──問題の本質をどう見分けるのですか。

30歳前後で本社の社長室勤務になり、大型ブルドーザーの国際競争に勝てる商品作りをするプロジェクトに参加した。今は退職して主婦になっているそのときのスタッフにこの本を贈ったら感想文が寄せられた。「そういえば、議論しているときに『四の五の言うやつが多すぎる。一、二をやれ』とよく言っていた」と。

解決すべき課題には本質以外に、部分的な問題点もいくらでもあるものだ。本質的なところを外して周辺のことばかり言っていては、始まらない。いきなり本丸に入っていかないと、本格的な成果は出ない。楽して早く成果を出したいこともあった。

つまり四の五のは部分最適の議論、全体最適で考える一、二こそ大事なのだ。部分最適論に押しまくられてしまいがちだが、一、二を貫こうと思うなら、これが本質だと納得させ有無を言わせないほどの説得力ある分析、論理がいる。

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 「米国会社四季報」で読み解くアメリカ優良企業
  • ブックス・レビュー
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
台湾と中国のデジタルは違う<br>唐鳳・台湾デジタル大臣に聞く

台湾を代表する天才プログラマーの名声を得て15歳で起業した唐鳳氏。「デジタル民主主義」「開かれた政府」を体現した38歳の若き大臣が、これまでの実績、日本や中国との比較、IT教育やITの未来などについて胸の内を語りました。