
円安にもかかわらず、多くの日本人がMLBツアーに行くのは、大谷翔平人気に加えて、ツアーガイドなど現地ホスピタリティが充実しているからではないか。
そういう感慨を抱いたので、Jayさんが所属するツアーガイド会社「LA-Tec International Inc.」に話を聞くことにした。
社長の桜井紀之氏は話す。
「私は1990年代後半からツアーガイドの仕事をロサンゼルスでしています。当時は野茂英雄投手がドジャースで投げていて、このときも多くのお客様をドジャースタジアムにご案内しました。
昨年、大谷選手がドジャースに移籍してからは、その再来のようですが、野茂選手は投手で、数日に1回しか登板しませんでした。でも大谷選手は“二刀流”で、ほぼ毎日出場しますから、仕事は野茂さんのときとは比べ物にならないほど増えています。
大谷選手のブームのきっかけは2023年のWBCでの日本の優勝ですね。ロサンゼルスでも大きく報じられましたが、ここからお客様が増えた印象です」

企業の視察旅行にもドジャース観戦が入る

今、ツアーガイドの仕事のうち、どれくらいが「大谷、ドジャース絡み」なのだろうか?
「ドジャース観光目的じゃないツアー、例えば、日本の企業の視察旅行だとしても、必ずドジャース観戦は入っています。昼間の時間を埋めるためにハリウッドやサンタモニカをご案内しますが、お客様のお目当て、メインは『野球観戦』『大谷翔平選手』なんですね。今、ロサンゼルスに来てドジャースタジアムに行かない方は1割いないんじゃないでしょうか。
うちはツアーガイドを20人ほど雇用していますが、ほぼ全員が出払います。1人で最大30人くらいのお客様をアテンドしますから、毎日何百人ものお客様をご案内していることになります。ドジャースはシーズンの半分はロード、遠征に出ています。その時期には突然暇になりますね(笑)」
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