関西万博「3Dプリンター建築」最前線!ギネス認定「森になる建築」、土のトイレなど・・・建設ITジャーナリストが注目したユニークな作品は?

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こちらは、3Dプリンター住宅を手がけるセレンディクスとヤマイチエステートによる、3Dプリンター×在来工法を組み合わせた新たな建築商品の第1棟目とのこと。3Dプリンター部分は1時間半、上の木造の屋根は3時間で完成したそうです。

「展示物ではなく実際の事務所施設として使用できるよう、建築確認申請を取ってつくられています」

建築物以外にも、注目したい3Dプリンター作品が続々

●サウジアラビア王国館の人工サンゴ

環境保全の取り組みに3Dプリンター技術が活用されている(撮影/SUUMOジャーナル編集部)

サンゴ礁の修復に3Dプリント技術を活用。有害物質を含まない耐久性のある素材で人工サンゴを造形し、展示しています。会期終了後には、人工サンゴに本物の幼生サンゴを定着させて繁殖させる予定だそう。

●日本館のスツール

日本政府館「ファクトリーエリア」では、3Dプリンターを中心とした循環型ものづくりシステム「双鶴(そうかく)」を常設展示。白いロボットアーム型3Dプリンターが鶴のように有機的に動き、3Dプリント技術の第一人者である慶應義塾大学の田中浩也教授らが設計した「藻類スツール」が造形製造されています。

「完成したスツールは、日本館のいたるところに置いてあって、来場者が自由に座ることができます。素材は、藻類を使ったバイオプラスチック材料で、耐久性の高いロングライフプロダクト。使われなくなった際は粉砕して、再び3Dプリンターの材料として再利用できます」

デザインも色合いも、どこか日本らしくて素敵です!

●フランス館の歴史的建造物模型

しめ縄でつないだモンサンミッシェルと厳島神社の鳥居、ノートルダム大聖堂と首里城のオブジェなども、3Dプリンターで制作されたもの。
「かなり大きいので、車の部品をつくるレベルの大型プリンターでつくられたのでしょう」

●チェコ館のマスコット「レネ」

黄緑色の体に目がたくさんついた、チェコのマスコットキャラクター「レネ」のフィギュアは、3Dプリンターで4時間に1個ずつ増殖中。「あるときレネのフィギュアの盗難が相次いだそうなんです。それを逆手に取って、完成したレネをチェコ館のいろいろなところに隠しておき、発見した人は持って帰っていいということに。遊び心がありますよね」

インクジェットプリンターのように、いろいろな色がノズルから出るようになっていて、造形中に色を変えながら積み上げることで、カラフルなフィギュアができるのだそう。

●大阪ヘルスケアパビリオンの培養肉

「家庭で作る霜降り肉」というブースでは、なんと3Dプリンターでステーキ用の肉をつくっています。和牛から採取した筋肉の細胞をベースに培養し、3Dバイオプリント技術で細かな繊維状態に形成。健康や好みに応じて、赤身や脂身の割合を自由に変えられるのがおもしろい!将来的には、家庭用「ミートメーカー」の実用化をめざしているといいます。

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