「達成感を得られなくて”最初の5年”はしんどかった」リクルートで”営業一筋24年”の男性が「47歳で第一子&専業主夫」になった感想

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ちょっと意地悪な質問になってしまうんですが、と前置きしつつ、今までの人生での選択において後悔していることはあるか、と問いを投げた。

河野さんはライトに「ないっすね」と笑って答えた。

「楽天家、なんでしょうね。僕、運だけで生きてるな、って本気で思っているんです。だから今までの人生で間違った選択はしていなかったと断言できる。つらいことはいっぱいありましたけど、無駄なことはなかったと思えば、後悔はないですね」

運がいい、運だけで生きている。実はインタビュー中に河野さんはこの言葉を何度か言っていた。一貫して未練を感じさせない、すがすがしい話ぶりだ。

最初の5年はしんどかった

「でも、未練を感じることはありますよ。専業主夫を始めて最初の5年くらいは、1日の終わりになかなか達成感を感じられないのがしんどかったです。

寝るのが惜しくて、夜中にひとりでビールをプシュッとやってカップラーメンを食べて、やっと2時ごろに寝ていました。でも、今は早く寝られるようになったかな。『明日また楽しければいいじゃん』と思えるようになったからかもしれないです。よくわかんないけど(笑)」

今では専業主夫ライフを満喫している(写真:河野さん提供)

ワーキングマザー(ファザー)など、社会人として一定のキャリアを積んできたのち、急に出産・育児に追われる生活になったことのある人にとっては、思わず「わかる!」と言いたくなってしまうようなエピソードではないだろうか。

その期間も通り過ぎ、明日も家族と過ごす日常がいつも通り始まること、それが幸せの形であることが今はわかるから、潔く1日を終えられるようになった。

「僕もアラフィフで子どもが生まれることになったときは、不安がなかったといえば嘘になります。今はなかなかデリケートな世の中なので言いづらいところではあるんですが、もし高齢で子どもを作ることを躊躇しているけど体験してみたい、と思っているアラフィフの男性がいるのなら『子どもがいる世界はいいものですよ、楽しいですよ』と言いたいです。

将来のことを心配してばかりでは何もできないですよね。結局、これからの人生で今が一番若いときなんですから」

前編:『「47歳で第一子」誕生の男性が24年勤めた《リクルート》を辞めて移住&”専業主夫”になるまで。今も「養ってもらっている」訳ではない理由とは?』 
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宇乃 さや香 フリーライター

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Sayaka Uno

1982年北陸生まれ。大学卒業後、分譲マンション管理会社、フリーペーパー出版社、認知症対応型グループホームでの勤務を経験。妊娠・出産を経てフリーライターとして独立。生き方や価値観のアップデート、軽やかに生きるヒントを模索し、取材を続ける。

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