「でも、現実はそうなかなかうまくはいかないです(笑)。口答えもしますしね」
小4の長男は反発して20分トイレにこもることもあるという。それでも河野さんは教育方針を変えるつもりはない。自分で時間管理と行動管理ができるようになること、その大切さを身に染みて理解しているからだ。
「子どもが社会人になるころ、僕はもう70代です。それから言うのでは間に合わないですよね。それに、僕はきっと割と早く死ぬので。だから今のうちから始めておかないと、と思っています。
まあ、古い昭和の親父みたいにならないように、ちゃんと背景や理由を説明してから守らせるように頑張っているんですけどね」
会社の若手に感じていた”危機感”
会社にいた頃のある”危機感”も子育てに影響しているという。
「若手社員には、叱られることを極端に嫌ったり、理由がないと動けなかったり、失敗を恐れたりする人が多いように感じました。だから、子どもは『ちゃんと育てないとやばいぞ』っていう感覚が最初からありましたね。
もしも30代で子どもができていたら、そういう危機感もなく育ててしまっていたかもしれない。そういう意味では、僕は50代で子どもをもって良かったと思っています」

さらに、求人サイトの営業をしていた河野さんが出会った「多分1000人くらい」の人事担当者や社長との面談でインプットされた”成功する社会人像”も大いに役立っている。
「どこの会社に行っても悩みは『人の質』に関することでした。
活躍できる人材というのは『自分の中でエンジンを持っていて、自分で燃やしながら走ることができる』人だとか、『ちゃんと約束を守れる人間』だとか。
そういう話をずっと聞き続けてきたので、それが自分の人格形成にも良い影響を受けました。子育てにも、多分生かされていると思いますね」
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