「トイレットペーパーみたいに生理用品も置いてほしい」はSNSで炎上も…生理用ナプキンが”タダでもらえる”施設がじわり増加の理由とは?

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「導入を担当することになり、娘に話を聞いたら『大学でも使いたい』と。娘はフランクに話してくれるが、妻は私が代わりに生理用品を買おうとしても『やめて』というタイプ。同じ女性でも人によって受け止め方が違うんだな、と感じた」(生活支援部生活応援課課長 根本将司氏)

全部の個室にあることが望ましい

オイテルは好評であれば今後も増やしていく方針。これまでの使用状況を調べたところ、3施設合わせ、1ヶ月で500個近くが使われていた。根本氏によると、他の区の実績と同程度とのことだ。

オイテルマップ
アプリではオイテルマップも確認できる(筆者撮影)

使う立場から考えれば、サービスはなるべく多くの施設に導入され、しかも個室の一部ではなく全部の個室にあることが望ましいだろう。

女性トイレはどこも列ができていることが多い。オイテルが整備されている個室に必ず入れるとは限らないためだ。

オイテル以外に似たサービスとしては、全国に53カ所設置されている「toreluna」がある。

また、シャープが地方自治体や企業・大学などと実証実験を進めているのが、手をかざすだけでナプキンを受け取れるディスペンサー、「todokuto」。

スマートフォンが要らないので、小学校にも導入できる。花王では職場のトイレに生理用品を常備する「職場のロリエ」を進めており、300社の導入実績がある。

こうしたサービスが広がっていくと、女性にとってはもちろん助かる。また実際的なメリットとともに意義が大きいのが、仕組みづくりに男性がかかわらざるを得ないという側面だ。男性の生理への理解が欠かせないし、また女性も、男性にもオープンに語れるようになる必要があるだろう。

女性の問題にも、男性がもっと関与していい。トイレへのナプキン設置サービスを通じ、女性活躍社会実現に向けてのヒントが見えてきた。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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