「トイレットペーパーみたいに生理用品も置いてほしい」はSNSで炎上も…生理用ナプキンが”タダでもらえる”施設がじわり増加の理由とは?

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トイレのサービスとしてはオイテルのほか、スマホで個室トイレ混雑状況を確認できる仕組みを導入しているそうだ。

江東区では6月からサービスをスタート。江東区役所に2個室、文化施設2館それぞれ2個室に導入している。

江東区の「プロジェクト・スマイル」

同区では2023年12月に区長となった大久保朋果氏の肝煎りで「プロジェクト・スマイル」という女性活躍のための事業を実施している。女性の視点を区政に活かす狙いで、有志女性職員から挙げられた意見をもとに政策を立て、実行していくというプロジェクトだ。

江東区長の大久保朋果氏。かつて教育実習で婦人参政権運動にかかわっていた祖母の体験を生徒に話したところ、反響の大きさに驚いた。以来、女性が女性が自分らしく活躍できる社会にするため「自分は何ができるか」と考えてきたという(写真:筆者撮影)

2024年度は「若手職員育成と新たな視点の一石二鳥を狙った」大久保氏の意図により、20代の女性からプロジェクトチームを構成したそうだ。オイテルも、チームメンバーからのアイディアで実現した政策の一つ。

「プロジェクトの成果発表には男性職員も参加し、これまで別々だった男性と女性意識の共有を図ることができた。

例えばナプキンに昼用、夜用や多い日用などいろいろな種類があるのは女性にとっては当たり前だが、男性にとっては新鮮な発見だった。

反対に女性は、男性がそこまで生理のことを知らないという事実に驚いていた」(大久保氏)

江東区役所2階のトイレ。マークでオイテルが設置されていることがわかる(写真:筆者撮影)

実際の導入を担当したのは、女性相談一般やひとり親家庭などを担当している生活応援課。ナプキンの補充など新たに増える作業負担を検討し、清掃業者にも直接説明をするなど、丁寧に進めていった。

ナプキンディスペンサーのサービスは複数あるが、オイテルを選んだのは、他の自治体での実績があったことが理由だ。アプリのダウンロードが前提となるので、同じサービスが広がったほうが、ユーザーにとって使いやすいということだ。

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