昭和初期と比べて現代人の「噛む回数」は半分に減少していた…メタボを招く早食いを防ぐための、調理法のちょっとしたコツ

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ということは、使う食材は同じでも、硬く、食べにくくなるように調理すれば、ダイエットに役立つことになりますね。

1 食材を大きく切る

煮物でも炒め物でも、食材を大きく切れば、ひと口で飲み込むことはできません。目安は3~4口で食べるくらいの大きさです。通常サイズのジャガイモなら2つ割り、ニンジンなら3つ割り、玉ネギも4つ割りくらい。根もとが多少つながっていてもOKです。

エリンギは丸1本くらいのイメージで。エノキタケや舞茸は、株をざっと分ける程度にしてください。

2 硬さを残す

コリコリ、シャキシャキした食感を残すために、茹でるときも炒めるときも、調理時間は短めに。電子レンジで下ごしらえするなら加熱時間を短くし、海藻、切り干し大根などの乾物は、水で戻す時間を短くします。

以前、料理研究家から、コンニャクは塩もみしてから、しっかり加熱すれば、驚くほどプリプリになると教えていただきました。もちろん、コンニャクも大きく切って、味がしみるように、表面に浅く切れ込みを入れます。

3 できるだけ皮をむかない

野菜の皮をむかずに調理すると、しっかり噛まないと飲み込めません。皮ごと食べられる野菜は、大根、カブ、ニンジン、レンコン、カボチャ、ゴボウ、長芋、ジャガイモ、サツマイモなど、たくさんあります。

農薬が気になるなら無農薬野菜や有機野菜を選んでください。

このなかで、お店で売っているニンジンには、すでに皮がないという話はご存じでしょうか。ニンジンの皮は薄いため、収穫して洗浄する段階でむけてしまいます。だから、わざわざ皮をむこうとする必要はないのです。

ピーマンはワタも種も捨てずに食べる

インターネットなどで調べると、野菜の皮には各種のビタミン、ミネラル、さらには食物繊維が豊富なので、食べなきゃ損! という記事をみかけます。実際のところはどうでしょうか。

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たとえば、収穫したばかりの皮つきのニンジンと、皮がむけたニンジンを、同じ100gあたりで比べると、β(ベータ)‐カロテンは6900μg(マイクログラム)と6300μgで、約9%減です。

ただ、食物繊維はどちらも2.8gと、ほとんど変わりません。栄養に関しては、「皮をむかないほうがよい」程度といえます。

皮だけでなく、ピーマンやカボチャは種と、そのまわりのワタと呼ばれる部分も食べられます。わざわざスプーンでくり抜いたりせず、そのまま、大きく切った果肉と一緒に調理しましょう。

ブロッコリーは茎ごと、こちらも房を大きく分けて使います。

野菜は皮にも種にも茎にも独特の風味があり、野菜本来のよい香りがします。ダイエットを目指す人は、こまごまと盛りつけた芸術的な料理ではなく、自然を感じられるダイナミックな料理を作りましょう。

食材の硬さを残して大きく切れば、GI値を下げる効果も得られます。

奥田 昌子 医学博士/内科医

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おくだ まさこ / Masako Okuda

京都大学大学院医学研究科修了。京都大学博士(医学)。博士課程にて基礎研究に従事。生命とは何か、健康とは何かを考えるなかで予防医学の理念にひかれ、健診ならびに人間ドック実施機関でのべ30万人以上の診察/診療にあたる。航空会社産業医を兼務し、ストレス対応を含む総合診療を続けている。著書に『これをやめれば痩せられる』(東洋経済新報社)、『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』(講談社ブルーバックス)、『内臓脂肪を最速で落とす』(幻冬舎新書)などがある。

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