昭和初期と比べて現代人の「噛む回数」は半分に減少していた…メタボを招く早食いを防ぐための、調理法のちょっとしたコツ
2018年に結果が公表された研究では、マカロニにチーズをからめた料理を同じ量だけ用意して、1つのグループには24分、もう1つのグループには6分で食べるよう指示しました。
そして、食事の3時間後に、自由におやつを食べてくださいと両方のグループに言ったところ、24分グループのほうが、おやつを食べた量が25%も少なかったのです。3時間たっても満腹感と満足感が持続していたからでしょう。
食べる速度にブレーキをかける方法として、ひと口で30回噛みましょうと書いてあることがあります。
これができる人はよいとしても、なかには、すでに納得できるまで噛んでいるのに、さらにクチャクチャ噛み続けるのを苦行だと感じる人もいそうです。
それよりは、ゆっくり食べざるをえない状況を作ってはどうでしょう。ようするに「食べづらく」するのです。
1つは、一度にたくさん口に入れることができないようにすること。たとえば、細い箸や、コーヒースプーンを使います。細い箸は力が入りにくいですし、小さなスプーンは食べ物をかき込むことができません。
2つには、簡単に飲み込めないように調理することです。同じ食材でも、切り方、下ごしらえの方法、調理法によって、驚くほど「食べづらく」なります。
昭和初期と比べて現代は噛む回数が半減
古代から現代まで、各時代の食事を再現して、噛む回数を調べた研究があります。
すると、弥生時代は約3990回、鎌倉時代は2650回だったのが、昭和初期には1420回になって食事時間は22分、そして現代は620回で平均11分と、時代を追って減少。
昭和初期と現代を比較すると、噛む回数、食事時間ともに半分に減っていることがわかりました。
古代は穀物や木の実が食生活の中心だったので、とにかく噛む必要がありました。そのため、弥生時代の人の骨を調べると、現代人より顎の骨が発達して大きかったといわれています。
それが変化したのは、次第に柔らかくて食べやすいものが好まれるようになり、食品の加工技術の向上によってそれが可能になったからです。
そういう料理の代表がハンバーガー、ピザ、ホットドッグ、フライドポテト、牛丼に親子丼、うどん、蕎麦、ラーメンなど。いわゆるファストフードのそろい踏みです。
しかしながら、とくに欧米風のファストフードは太るわけです。
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