「そっちで取引先に聞いておいてよ」と言われても…理不尽に社内で煙たがられがちな《経理》の"切実な悩み"を解決する方法

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経理の仕事は、社内で継続的に生じるものですから、最低限の基本的な人間関係ができていると、仕事は進めやすくなります。そのうえで、何かを依頼するときは、少しでも相手の立場に配慮するようにするとよいでしょう。

たとえば、イレギュラーな取引が発生したとき、メールで一方的に「○日までにこの情報を教えてください」と依頼しては、受けた側は反発しやすくなります。

しかし、「〜の目的で、〜の資料が必要なのですが、ありますか」と相談すれば、相手側としても対応しやすくなります。「その資料は時間がかかるけれど、この資料ならある」といったような話も聞けるかもしれません。

今回の相談例では、そもそもAさんと同僚としての基本的な人間関係が成立していない可能性が考えられます。そうしたなかで「メールで一方的に伝える」状況のため、Aさんの理解を得られず、すぐに取引先に確認してもらえなかったのかもしれません。

経理担当者の"個々の曲芸"に頼ってはいけない

経理担当者には、それほどレベルの高いコミュニケーションスキルが求められるわけではありません。初対面のお客様からニーズを聞き出し、信頼感を勝ち取り……といったコミュニケーションは不要ですし、「話好きな人」「話がうまい人」になる必要もありません。

むしろ、コミュニケーションに深く依存するような仕事の進め方は、問題を生むこともあります。

筆者は事業会社の経理担当者として、その後に顧問税理士として多くの経理担当者を見てきました。なかでも非常に多かったのが「その人にしかできないような"曲芸コミュニケーション"で頑張ってしまう経理担当者」です。

ここでいう"曲芸コミュニケーション"とは、たとえば次のような対応法です。

・情報が回って来ない自社イベントの情報を、毎回、休憩室で営業担当者から直接聞き出す
・仲がよい営業担当者が作成した書類の不備を、依頼に応じて経理部で訂正してしまう
・経費精算書の提出が遅れやすい従業員に対してだけ、事前にリマインドする

これらの対応で、結果的に必要な情報や資料を入手できたのなら間違っていないのではないか、と思うかもしれません。しかし、この方法は会社の管理体制の足りない部分を「その経理担当者個人の曲芸」で補完しているだけです。

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