酒だけじゃない!肝臓を壊す"危険な成分"の正体。健康によさそうが招く「脂肪肝」の落とし穴――健康診断の数値と合わせてチェックを

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最後に治療について紹介します。

アルコール性脂肪肝の治療で最も重要なのは、完全な禁酒です。これに加え、栄養バランスのよい低脂肪・高タンパクの食事や、ビタミンB1や葉酸などの栄養素の補充が必要になることもあります。

単純性脂肪肝の場合は、食事内容の見直しと適度な運動を継続することで、体重を減らすことが第一の治療法です。体重を5〜10%程度減らすと、肝脂肪が改善するとされています。

いずれにしても、生活習慣の改善などを中心とした治療で、脂肪肝を改善させることが可能です。

MASHの場合、上記の生活習慣改善に加えて、インスリン抵抗性を改善するピオグリタゾンや、肝脂肪を減らす効果のあるGLP-1受容体作動薬が効果的であることが報告されています。日本では保険適応外で、自費治療となります。

MASHが重症化して肝硬変に至った場合は、最終的に肝移植が選択されることもあります。

脂肪肝を甘く見ないこと

脂肪肝は単に肝臓だけの問題でなく、普段の食習慣や運動習慣、更年期など全身の健康リスクと関係する病気です。

健診結果を見せたときに「ああ、脂肪肝ですね、様子を見ましょう」という医師でなく、積極的に健康状態の改善に取り組むようアドバイスしてくれる医師をかかりつけ医にして、より健康になるよう指導や治療を受けるようにしましょう。

果汁ジュースは控えたほうがよさそうです(写真:Rutchapong/PIXTA)
久住 英二 立川パークスクリニック院長

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くすみ えいじ / Eiji Kusumi

1999年新潟大学医学部卒業。内科専門医、血液専門医であり、旅行医学やワクチンに関する造詣が深い。国家公務員共済組合連合会虎の門病院で内科研修ののち、臍帯血移植など血液がんの治療に従事。血液内科医としての経験から感染症やワクチンにも詳しく、常に最新情報を集め、海外での感染症にも詳しい。2024年12月に立川高島屋SC10階に内科、小児科、皮膚科の複合クリニック「立川パークスクリニック」を開業した。

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