酒だけじゃない!肝臓を壊す"危険な成分"の正体。健康によさそうが招く「脂肪肝」の落とし穴――健康診断の数値と合わせてチェックを
ALPは胆汁の流れが滞ると上昇しますが、骨の病気でも上がることがあるため、単独では診断が難しい項目です。総ビリルビンは黄疸の有無や胆道系の障害を反映します(※外部配信先では基準値を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

このほか、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)や空腹時血糖、中性脂肪、HDL/LDLコレステロールといった項目は、直接的ではありませんが、脂肪肝のリスク因子として重要です。
会社などで受ける健康診断(法定健診:労働安全衛生法に基づく定期健康診断や雇入時健診)では、AST、ALT、γ-GTP、空腹時血糖、中性脂肪、HDL/LDLコレステロール検査が必ず含まれており、40歳以上の労働者は全員が対象になっています。
肝臓の異常値で考えられる病気
ASTやALTの数値が異常値である場合、次のような病気が疑われます。
たとえば、アルコール性肝障害ではγ-GTPの上昇が目立ち、ASTがALTより高い傾向にあります。
一方で、肥満や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が背景にあり、現代人に非常に多く見られる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、ASTとALTがともに上がりますが、とくにALTがASTよりも高くなります。γ-GTPが上昇することもあります。
ウイルス性肝炎(B型・C型)もALTがASTより高くなりがちです。
慢性肝炎では上昇の程度は軽いですが、急性肝炎では数百〜数千と著しく上昇するのが特徴です。
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