低迷つづく中日ドラゴンズ…往年のファンが懐かしむ「燃える男」星野仙一がいた時代の"熱血4大事件"

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【昭和62年:宮下昌己に巨人・クロマティが暴行】

闘将・星野仙一監督の率いる中日は、与死球数が際立って多いわけではなかった(昭和62年シーズンのチーム与死球34は12球団中4位)が、投手陣は攻めの投球を徹底していた。

甘い球を投げて打たれた日には鉄拳制裁が待っているため、「それなら当ててもいいぐらいのつもりで内角を突いていた」と宮下自身も後年に語っている。その結果、ぶつけたとしても、相手に謝るそぶりは見せなかった。

その一方で、相手投手が中日打者に少しでも危険な球を投げれば、すぐにベンチを飛び出してくる。そんな態度に他チームは怒りを募らせていた。なかでも星野監督が巨人への対抗意識を剝き出しにしていたことから、巨人側の警戒心は強かった。

「グーはいかんでしょ」

乱闘劇が起こったのは7回2死二塁、巨人リードの場面。救援の宮下が投じた初球はクロマティの背中を直撃した。

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右投手の投球が、左打者の背中にぶつかるなどは、普通のコントロールミスではあり得ない。クロマティはヘルメットを脱ぎ捨て「帽子をとって謝れ」と宮下に詰め寄る。

宮下が対抗するように前に出ると、その左頬にクロマティの右ストレートが炸裂。両軍選手がベンチを飛び出して揉み合いが始まると、乱闘の輪の外で、星野監督は巨人の王監督に掴みかかるようにして近づき、その顔前に拳を突き出した。

「世界の王を殴ろうとした」と世間からの批判が噴出すると、星野は「王さんに何かをしようというのではなかった。クロマティが殴ったことに『グーはいかんでしょ』と拳を出した」と弁明している。

この乱闘で宮下は左顎打撲、口内裂傷による全治10日間の負傷。退場処分のクロマティには謹慎7日間、罰金30万円の処分が下された。

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