名探偵シャーロック・ホームズが駆使する「観察力」と「聞く力」の鍛え方 証言「事件のあった夜、犬は吠えなかった」の意味するところは?

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ビジネスシーン
「観察力」と「聞く力」は努力と訓練によって伸ばすことができます(写真:kou/PIXTA)
シャーロック・ホームズが名探偵と言われる理由は、思考力はもちろんのこと、「観察力」と「聞く力」が優れていたからにほかなりません。普通の人が気づかないことに、どうすれば気づけるようになるのか。「観察力」と「聞く力」をトレーニングする方法について解説します。
※本稿は『あらゆる問題を解決できる シャーロック・ホームズの思考法』から一部抜粋・再構成したものです。

訓練すれば脳の機能は向上する

人生でも文学でも、興味深い人物にはいくらでも出会えるが、名探偵シャーロック・ホームズのように、解決不可能に見える謎を解ける者はめったにいない。

つまり頭脳の大きさでは、どうやってもホームズにはかなわないということになる。それでも恥じる必要はない。

はたして文学史上、ホームズを超えるほど洞察力のある識者が登場しただろうか?

「この世界で、誰よりもきみが捜査を厳密な科学に近づけたんだ」と、ワトソンは『緋色の研究』で述べている(ホームズでさえ「うれしそうに顔を赤らめた」お世辞である)。

ホームズ自身は、『四つの署名』で「捜査というのは厳密な科学であり、もちろんそうあるべきだ。だから、同じように客観的に、感情を排して扱われなければならない」と断言している。

だからといって、冷静な分析や経験的証拠の見極めがホームズの専売特許だと思いこんではいけない。ホームズは自身の仕事について、科学だけでなく、芸術的な観点からも語っている。

『ソア橋』では、めずらしく感情をあらわにして、「僕の芸術の根底にある想像と現実の融合」のことを話した。また『恐怖の谷』では、「想像力から真実が導き出されることが、どれだけあるか?」と、独創的思考の必要性を繰り返し強調していた。

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